ネットサービス開発のbetween the arts(東京・港)は2022年10月14日、アートや時計などのコレクターのための資金調達サービス「COLLET CASH(コレットキャッシュ)」を開始する。利用者がネットから申し込み、所有するコレクションを担保に即日で資金調達できるサービスだ。資金調達後は、手数料を上乗せしたリース料を支払うことで買い戻すことができる。売却とは異なり、コレクションを手放すことなく資金調達できるのが特徴だ。

「COLLET CASH(コレットキャッシュ)」とは、アート、古美術、時計にスニーカー、トレカなどの価値あるコレクションを手放さずに資金化できるサービスだ
「COLLET CASH(コレットキャッシュ)」とは、アート、古美術、時計にスニーカー、トレカなどの価値あるコレクションを手放さずに資金化できるサービスだ
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 オークションに出品されたコレクションが約4億3900万円で落札。タワーマンションを超える価値があると評価されたのは、人気ゲーム・アニメ「ポケットモンスター」のカードゲーム「ポケモンカードゲーム」、通称「ポケカ」の希少カードだ。

 世界中でさまざまなコレクターアイテムの取引が活発化し、高騰している。ポケカは一例だが、そのほかにも高級腕時計、日本産ウイスキー、ヴィンテージギター、スニーカーなどの資産価値が高まり、富裕層の投資対象になっている。

 ところが、そうしたコレクションアイテムは「相場の変動が小さい。コレクションを基に資金調達をすることも難しく、金融資産としては致命的な状況だ」とbetween the arts代表取締役CEO(最高経営責任者)の大城崇聡氏は言う。

 高額なアイテムをコレクションするには、多大な資金が必要になる。between the artsが実施したアンケートでは、コレクターの5人に1人がコレクション後の悩みとして「今後の購入資金の工面ができないこと」と回答。オークションなどに探していた商品が出品されても、それを購入するための資金繰りに苦慮している状況が明らかとなった。

 そこで、コレクターが所有するコレクションアイテムを資産として運用できるように、同社が開発したのがCOLLET CASHだ。このサービスは、資産価値が高いコレクションアイテムを短期間で現金化し、他のコレクションアイテムの購入資金などに当てられるようにするもの。

 従来、コレクターが自らのコレクションアイテムを現金化する際は、オークションやフリーマーケットアプリに出品して、売却することが主な手段だった。しかし、「売却」である以上、コレクションアイテムを手放さなければならない。また、すぐに買い手が見つかるとは限らないため、即座に現金化できる保証はなかった。COLLET CASHは、コレクターが抱えるこのような課題を解決する手段として開発された。

売却せずに即日資金調達を実現する仕組み

 「COLLET CASHは利用者が保有するコレクションアイテムを当社に預けて、資金調達できる質屋に近いサービスだ」と大城氏は言う。これを実現するため、不動産業界で導入がはじまりつつある「リースバック」という手法にならった仕組みを採用している。

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