鞄や革小物、ランドセルなどを製造・販売する土屋鞄製造所(東京・足立)は、米Bolt Threads(ボルトスレッズ)が開発したレザー代替素材「Mylo(マイロ)」を採用した商品開発を進めている。Myloはキノコの菌糸体から生まれた合成皮革の新しい素材。2022年12月15日には、小型財布やウォレットバッグ、iPhoneケースにMyloを生かした商品を数量限定で発売する。

写真左が小型財布の「Mylo ハンディLファスナー」で外装と内装にMyloを採用した。右は「Mylo ウォレットバッグ」と「Mylo iPhoneケース」右はウォレットバッグとiPhoneケース
写真左が小型財布の「Mylo ハンディLファスナー」で外装と内装にMyloを採用した。右は「Mylo ウォレットバッグ」と「Mylo iPhoneケース」

 「Mylo」は、キノコの根のような糸状の繊維(菌糸体)をBolt Threadsが独自の栽培手法で育成し、素材にしたもの。水と空気などがあれば約2週間で育成でき、安定した供給が見込めるという。加工によって、さまざまな製品に応用できる。サステナビリティー(持続可能性)やエシカル(倫理的)消費に対する意識の高まりにより、Myloのようにレザー代替品として植物を主原料にした新素材が注目されている。キノコを使うものやリンゴを生かしたものがあり、動物の革を使わないことから総称して「ビーガンレザー」とも呼ばれる。

キノコの根のような糸状の組織体からつくる
キノコの根のような糸状の組織体からつくる
約2週間で育成できるため、安定した供給が見込まれる
約2週間で育成できるため、安定した供給が見込まれる

強度試験などを重ねる

 土屋鞄はBolt Threadsに出資し、Myloの素材や商品の開発を共同で行う業務提携を結んでいる。Bolt Threadsとは2021年夏からミーティングを重ね、東京の自社工房でMyloによる試作品を作った。22年5月にはランドセルや鞄、小物などに仕立てて発表。また、12月15日の発売に先立ち、10月15日~12月28日までの期間、一部店舗で商品を展示している。

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