米アマゾン・ドット・コムは米国時間2022年9月28日、新製品のオンライン説明会を開いた。睡眠時間の計測機器「Halo Rise(ヘイローライズ)」のほか、見守りロボット「Astro(アストロ)」の新機能などを紹介しつつ、同社が「アンビエント」と呼ぶ生活環境に自然な形で溶け込んだサービスを強化する姿勢を改めて示した。

レーダーセンサーで利用者の動きを捉える睡眠の計測機器「Halo Rise」。米国では22年内の出荷を予定する
レーダーセンサーで利用者の動きを捉える睡眠の計測機器「Halo Rise」。米国では22年内の出荷を予定する
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 新しいカテゴリーの新製品として紹介したのは、睡眠の質を高めるための計測機器「Halo Rise」。枕元に置いて利用する。微弱電波を使うレーダーセンサーで呼吸などの動きを捉え、睡眠の状態を測る。機械学習によって精度を高めたデータ分析モデルを活用しており、いつ入眠したかを正確に捉えられるようにした。ペットや家族が近くを通りかかった場合でも区別できる。起床時間が近づいたら、眠りが浅くなっているタイミングで照明を点灯させる。

 アマゾンの健康管理サービス「Halo」のアプリで睡眠の状態をグラフで確認できる。以前から同様の睡眠計測ができるバンド型センサーはあったが、Halo Riseを使えば何も身に着けなくても自動的に睡眠をモニターできるというメリットがある。

朝になると照明を点灯させて自然な目覚めを促す
朝になるとランプを点灯させて自然な目覚めを促す
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 ここ最近のアマゾンは「アンビエント(周辺環境の)テクノロジー」あるいは「アンビエントコンピューティング」と呼ぶコンセプトを掲げ、各種のハードウエアを開発している。ユーザーの生活に自然な形で溶け込むサービスをつくる、という考え方になる。アマゾンデバイス・サービス担当上級副社長のデイブ・リンプ氏は「アンビエント」なサービスについて「直感的」「要望を先回り」「パーソナライズ」という3つの特徴を掲げた。

 その3つを取り入れた代表的な製品が、声で操作ができるAI(人工知能)「Alexa(アレクサ)」搭載のスマートスピーカー「Echo(エコー)」となる。例えば、玄関先や宅配ボックスに注文した商品が届いたら家の中にいても分かるように通知をしてくれるという機能がある。毎日同じ時間に同じスキル(機能)を呼び出していたら、定期的に利用するために「ルーチンに登録しますか」といった呼びかけをすることもある。

スマートスピーカーの「Echo Dot」。時計付きモデルもある。米国では22年10月出荷予定
スマートスピーカー「Echo Dot」(左は時計付きモデル)。米国では22年10月出荷予定
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 Echo関連の製品では、高音質化した「Echo Dot(エコードット)」、やや大型の「Echo Studio(エコースタジオ)」、車載用の「Echo Auto(エコーオート)」などの新製品を発表した。

ロボットの役割をセキュリティーに拡大

 そのEchoに車輪を取り付けて移動可能とした形の製品が、約1年前に発表した見守りロボット「Astro」だ。今後はユーザーの要望に応じて、家の中の状態を学習するAIを追加し、ドアや窓が開けっぱなしになっているといった異変を察知する機能を加えるという。犬や猫などの存在も認識できるようになり、留守中にペットの動きを察知したら動画を送るといった使い方が可能になる。中小企業を対象として、防犯用途にAstroを利用するサービスも展開する。

家庭内で高齢者やペットの見守りなどに利用できるロボット「Astro(アストロ)」
家庭内で高齢者やペットの見守りなどに利用できるロボット「Astro」
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 家庭内のテレビをAlexaに対応させ、音声での操作を可能にする動画サービスの受信機器「Fire TV(ファイアTV)」も紹介した。処理性能を20%向上させた「Fire TV Cube(ファイアTVキューブ)」や量子ドット技術を用いたQLED液晶を搭載したスマートテレビ「Fire TV Omni QLED(ファイアTVオムニ)」などを追加する。

 Fire TVを使うことで「家族の誰もが、操作方法を学ぶ必要がなく、シンプルに直感的に見たいコンテンツを探せる」(エンターテインメントデバイス&サービス担当副社長のダニエル・ラウシュ氏)と、この製品もアンビエントテクノロジーを体現していると説明した。

動画サービスの受信機器「Fire TV Cube(ファイアTVキューブ)」
動画サービスの受信機器「Fire TV Cube(ファイアTVキューブ)」
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高画質液晶を搭載したスマートテレビ「Fire TV Omni QLED(ファイアTVオムニ)」
高画質液晶を搭載したスマートテレビ「Fire TV Omni QLED(ファイアTVオムニ)」
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 最近ではスマートフォンに頻繁にメッセージの通知が届くなど、オンラインの世界と常に背中合わせの状態が続き、気疲れしているという人もいるかもしれない。アマゾンは「現実の世界が重要だというシンプルな前提で、ユーザーの問題を舞台裏で解決する製品やサービスの構築に励む」(リンプ氏)と方針を語った。

(写真提供/米アマゾン・ドット・コム)