セガは東京ゲームショウ前日の2022年9月14日、「RGG SUMMIT 2022 / 龍が如くスタジオ新作発表会」を東京国際フォーラムで開催。『龍が如く8』と、龍が如くシリーズの新作3本について情報を解禁した。発表会には、ゲーム内のキャラクターを演じる竹内力、小沢仁志、中野英雄など、豪華ゲスト陣が登場し、制作秘話を語った。
「龍が如く8は、スケールもゲームボリュームも過去最大になる」
大人気アクションアドベンチャーRPG「龍が如く」シリーズから、待望の最新情報が解禁された。同シリーズは、東京の架空の歓楽街「神室町」を舞台に、裏社会を生きる人々の葛藤や生きざまを、バトルシーンを織り交ぜながら再現したもの。2005年の第1弾発売以来、ロングセラーとなり、21年時点でシリーズの全世界累計売上本数は1700万本を超えている(セガサミーホールディングスが21年に発表したレポートによる)。
龍が如くスタジオ代表の横山昌義氏は、「RGG SUMMIT 2022 / 龍が如くスタジオ新作発表会」内で、23年以降に発売予定の新作3本について言及。冒頭のコメントは、そのうちの1作である『龍が如く8』について語ったものだ。
竹内力「主役じゃねえのかよ!」
発表会では、最初に23年2月22日にリリースされる『龍が如く 維新!極』の話になった。同作品は、14年に発売されたスピンオフ『龍が如く 維新!』をアップデートさせたリメーク版となる。
ストーリーの舞台は幕末。メインシリーズの主人公である桐生一馬が、坂本龍馬となって新選組に入隊するという、歴史に沿ったオリジナル作品として製作されている。「『龍が如く 維新!極』は、ファンのための1本というコンセプトで製作している。歴代作品の人気キャラクターを、新選組のメンバーとして登場させることで、オールスターのような感覚で楽しんでもらえたら。楽曲も、過去作のメインテーマをふんだんに使用しているので、龍が如くのファンには細かいディテールも楽しんでもらえる」と横山氏。
『龍が如く 維新!極』では、俳優の竹内力、小沢仁志、中野英雄をモチーフにしたキャラクターも登場。3人とも15年発売の『龍が如く0』以来となる再オファーとなり、会見内ではその3人がゲストとして顔をそろえた。
竹内は、8年ぶりの出演にすごくうれしいとコメントしつつも、「主役じゃねえのかよ!」とオファーを受けたときの心境を吐露。会場の笑いを誘った。
小沢も、『龍が如く0』出演時の記憶に触れつつ、「俺、あんな顔怖くねーし」と突っ込み、会場からは笑いが起こった。また収録時には、龍が如くスタジオのスタッフに「あんな顔を毎日見ていて嫌にならないのか」と、冗談交じりに聞いていたという裏話も披露された。
中野は、高橋克典から役を引き継ぐ形での出演となった。「高橋克典はさわやかでとても良い演技をしていたので、それを良い意味で裏切ろうと思った。3日間連続で朝から晩まで丸々収録したりと、大変だったが思い出深い収録となった」と振り返った。
『龍が如く8』は桐生一馬と春日一番のダブル主人公
続いて話題は、24年に発売される『龍が如く8』に。
現時点では、詳細なストーリーや内容は非公開とのこと。会見で流れたティザー映像から見て取れるのは、メインキャラクターの桐生一馬のヘアスタイルが変わった程度で、他キャラクターの姿は声だけのお披露目となった。
ネタバレをしないよう横山氏は慎重になりながらも、『龍が如く8』は、桐生一馬(シリーズ6までの主役)と春日一番(シリーズ7の主役)のダブル主人公であることを発表。作品のテーマとしては、過去と未来を背負った2人の人生を対照的に描き切り、物語を紡いでいくコンセプトにしたそうだ。
「今作は、ドラマチックRPGというジャンルを選択した。我々としては、ゲームを製作するうえで一番大事にしているのがストーリー性。ゲームのジャンルは、ストーリーを表現するに適したものを選ぶという感覚だ。今作は2人の主人公が、それぞれ仲間たちとある目的に向かっていく展開になっている。今回は歴代シーズンの中でも盛り上がりましたし、(ゲームを進めていくうちに)泣いてしまうと思います」と横山氏。
またここでも新しいゲストである、桐生一馬役の黒田崇矢と、春日一番役の中谷一博が登場。現在はまだ収録中とのことだが、新作に対する期待をあらわにした。
伏線回収として7のスピンオフが発売
ただ、気になるポイントとしては、桐生一馬を再び主人公に設定したことだ。この疑問に対して横山氏は、「ストーリー上、必要だから」と、深く言及することはなかった。桐生一馬はシーズン6で主人公を降りてから、8で復帰するまでは何をしていたのか、どのようにして今作につながっていくのか……。
こうした桐生一馬の空白期間へのアンサーとして、3本目の新作『龍が如く7 外伝』のリリースが発表された。今作は、桐生一馬が単独の主人公となっているため、アクションアドベンチャーのスタイルをとった。発売時期は23年内、『龍が如く 維新!極』と『龍が如く8』の間を予定している。
「通常の『龍が如く』シリーズと比較すると、ストーリーボリュームは半分ほどになるのでは。ファンからしたら、『龍が如く8』をプレーするうえで、桐生の空白期間が気になって先に進めない方は多いはず。だからこそ、8の発売前に、『龍が如く7 外伝』を発売して、気持ち新たに新作をプレーしてほしい。それから、主人公が春日に変わった『龍が如く7』以降に始めたユーザーにとっても、桐生のパーソナリティーや過去が簡潔にわかる内容になっている。新しいファンには入門編としてプレイしてもらえたら」と横山氏。
年月を重ねるごとに、ストーリーやゲームボリュームの規模感が膨らんでいく「龍が如く」シリーズ。ライトなファンからコア層まで、幅広い人が楽しめるよう、続々と新作を投入していく予定だ。
(文・写真/佐藤隼秀)