マツキヨココカラ&カンパニーのプライベートブランド(PB)統合記念第1号となるスキンケア商品「レシピオ(RECiPEO)」シリーズが、発売から約5カ月で累計販売数30万個を突破。その3カ月後には年間販売目標の80%を達成し、なおかつ9割以上が新規顧客だったという。小売業である同社は、どのように敏感肌カテゴリーのスキンケア製品を開拓し、顧客獲得にいたったのか。

2021年11月11日に発売された、マツキヨココカラ&カンパニーのプライベートブランド(PB)第一号となる「レシピオ(RECiPEO)」シリーズ。左からメーク落とし「モイスト クレンジング オイルジェル」1650円(税込み、以下同)、泡洗顔料「モイスト ウォッシングフォーム」1650円、高保湿化粧水「モイスト ローションM(さらっとしっとりタイプ)」2090円、同「モイスト ローションR(とろっと濃密タイプ)」2090円、高保湿乳液「モイスト エマルジョン」2090円、高保湿クリーム「モイスト クリーム」2200円
2021年11月11日に発売された、マツキヨココカラ&カンパニーのプライベートブランド(PB)統合記念第1号となる「レシピオ(RECiPEO)」シリーズ。左からメーク落とし「モイスト クレンジング オイルジェル」1650円(税込み、以下同)、泡洗顔料「モイスト ウォッシングフォーム」1650円、高保湿化粧水「モイスト ローションM(さらっとしっとりタイプ)」2090円、同「モイスト ローションR(とろっと濃密タイプ)」2090円、高保湿乳液「モイスト エマルジョン」2090円、高保湿クリーム「モイスト クリーム」2200円

商品DNAと顧客の買い物価値観とは

 マツモトキヨシホールディングス(HD)とココカラファインが2021年10月1日に経営統合し、発足したドラッグストア大手のマツキヨココカラ&カンパニー。同社が経営統合後のプライベートブランド(PB)統合記念第1号として2021年11月11日に発売したのが、敏感肌向けのスキンケア商品「レシピオ(RECiPEO)」シリーズだ。昨今の「マスクを付けたままの生活」による肌トラブルの増加を受け、ドラッグストアで手軽に購入できるラインとして、化粧品メーカー、コーセーと共同開発した。

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 売れ行きは好調で、発売から約5カ月後の22年4月にはシリーズの販売数が累計30万個、売り上げは約6億円を突破。22年6月末時点で年間販売目標の80%を達成し、最終的には年間目標数を大きく上回ることが確実視されている。マツキヨココカラは小売業のため、店頭では多くの化粧品メーカーの商品を扱っている。競合が多数ある中、どのように販売を伸ばしたのか。

22年3月11日には低刺激な日やけ止めとして「RECiPEO モイストUVミルク」1650円(50ミリリットル)も発売されている
22年3月11日には低刺激な日やけ止めとして「RECiPEO モイストUVミルク」1650円(50ミリリットル)も発売されている

 マツキヨココカラ&カンパニーのマーチャンダイジング戦略を担うグループ会社、MCCマネジメント(東京・千代田)の商品統括本部商品開発部商品開発課の櫻井壱典次長は、「今回の商品開発の成否を分けたのは、膨大な顧客データを保有している小売業だからできたターゲティング」だと言う。

 「メーカーは自社商品を購入している顧客のデータは得ることができるが、その顧客がほかにどんな商品を一緒に購入しているかは、知ることができない。だがマツキヨココカラ&カンパニーには、カード会員の購入歴などの膨大な顧客データがあり、それを当社独自の切り口で分析することにより、新しい領域のターゲティングができた」

「膨大な顧客データを保有している小売業だから、独自のターゲティングができた」と語るMCCマネジメント 商品統括本部 商品開発部 商品開発課 次長 櫻井壱典氏
「膨大な顧客データを保有している小売業だから、独自のターゲティングができた」と語るMCCマネジメント 商品統括本部商品開発部商品開発課次長の櫻井壱典氏

 櫻井氏が語る「独自の切り口」の1つが、「商品DNA」と「顧客の買い物価値観」をひも付けする手法だ。商品DNAとは、その商品が持っている食意識、健康意識、美意識などをスコア化したもの。顧客の買い物の価値観とは、その顧客の買い物の傾向を購入データから読み取り、その顧客をセグメント化したデータ。これまで同社では、流行に敏感な人なのか保守的な人なのか、節約に関心が高いのか低いのか、そうした購買に対する特有の価値観と、それに合ったスコアの商品をひも付け、販売促進などに役立ててきた。

 この方法をレシピオの商品開発に活用。レシピオが敏感肌向けスキンケア商品であることで、有効性がより高まった。例えばエイジングケア化粧品や美白化粧品などは、年齢によってある程度ターゲティングできるが、敏感肌化粧品は幅広い年代に使用されているので、年齢だけではターゲットの絞り込みが難しい。

 「年代別や性別ではなく、お客様の買い物の価値観からグルーピングされた顧客クラスターを見ることによって、現在、自社で敏感肌化粧品を買っていない層を狙ったというのが今回の商品開発の大きなポイント」と櫻井氏は語る。

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