全国小売店の販売データを集計する日経POS情報で、2022年6月の来店客1000人当たり販売金額の前年同月比伸び率を調査した。食品カテゴリーの増加率で、昨今の値上げが影響した商品群として、7位に「マヨネーズ」(12.0%増)、10位「食用油」(11.6%増)がランクインした。
日経POS情報の食品カテゴリー(大分類)における2022年6月の来店客1000人当たり販売金額前年同月比伸び率トップ10は以下の通り。
1位は、品薄状態が続く「ヤクルト1000」がリードする「乳酸菌飲料」(29.4%増)。21年10月からトップ10入りし、今回(21年6月)のランキングで増加率トップに躍り出た。
2、3、4、9位は、6月末に梅雨が早々に明けて猛暑になったことを受けて販売が伸びた商品カテゴリーだ。2位「介護・病時食類」の上位には、大塚製薬「オーエスワン(OS-1)」などの経口補水液が並ぶ。3位「スポーツ飲料」(18.7%増)は、日本コカ・コーラ「アクエリアス」、大塚製薬「ポカリスエット」、サントリー「グリーンダカラ」の3商品でカテゴリー販売金額の9割を占める。4位「麦茶飲料」(17.4%増)は伊藤園「健康ミネラルむぎ茶」が過半数のシェアを占め、日本コカ・コーラ「やかんの麦茶」が続く。9位「水」(11.6%増)は、サントリー「天然水」が約30%のシェアを占め、以下、日本コカ・コーラ「い・ろ・は・す」、キリンビバレッジ「アルカリイオンの水」、アサヒ飲料「おいしい水 天然水」などが続く。
7位の「マヨネーズ」(12.0%増)と10位の「食用油」(11.6%増)は、値上げによって販売金額が伸びたカテゴリーだ。食用油の過半を占めるのが「サラダ油」で、「ゴマ油」や「エクストラバージンオイル」「ピュアオリーブ油」などは前年同月比微減のため、ここでは小分類の「サラダ油」のデータに着目する。マヨネーズはキユーピー、サラダ油は日清オイリオグループが最大手で、日経POSがデータ収集するスーパーの売り場においては過半数のシェアを占める。
マヨネーズの来店客1000人当たり販売金額は、長らく3300円前後で推移していたが、新型コロナウイルス禍で在宅時間が増えた20年2月以降に増加し、20年4~5月に4000円超を記録。新型コロナ第1波の収束後はまた3000円台に戻ったが、21年7月と22年3月にキユーピーが値上げをしたことで、直近5カ月間は4000円台が定着。22年6月は4608円にまで上昇した。コロナ禍前の2019年6月(3590円)と比べると、28.4%上昇している計算になる。21年上半期まで190円前後だった平均購入価格が、値上げによって22年6月に220.9円にまで上がったためだ。
マヨネーズ以上に値上げの影響が出ているのがサラダ油だ。
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