参院選が目前に迫ってきた。前回、2019年7月21日に投開票が行われた参院選の投票率は48.80%と50%を下回り、国政選挙としては戦後2番目に低い投票率だった。今回はどうだろうか。あなたが住む街の投票率をチェックして、向上させる方策を考えてみよう。
NHKが2022年6月24~26日に実施した世論調査では、投票に「必ず行く」と答えた人は、「期日前投票をした」と合わせて55%。少し期待が持てそうな数字だが、前回の同時期に実施した世論調査でもほぼ同等の数字だったことから、今回も50%が目標ラインの低調な選挙になる可能性がある。
もっとも投票率50%弱といっても、どのエリアでも2人に1人弱が投票に行っているのではなく、投票率が高いエリアもあれば低いエリアもある。では投票率が高いのは(低いのは)どこか?
上表は、前回参院選の都道府県別投票率ランキングだ。前回トップは60.74%の山形県。全体平均が50%を割った中で、47都道府県中ただ1県、60%の大台に乗せた。高投票率県というとかつては島根県が独走していたが、近年は山形県が安定して高い投票率を記録している。前回は、県内35市町村のうち、13町村が投票率70%超、15市町村が60%台で、県内最下位の酒田市でも56.30%と高い水準だった。
反対に、前回参院選で投票率が最下位だったのが38.59%の徳島県。以前から投票率は低めの県だったが、参院選の選挙区が高知県と合区になったことで候補者の地元色が薄れ、関心の低下を招いた面は否めない。かつて高投票率県だった島根県も、鳥取県と合区になって以降、投票率が低落傾向にある。
では、市区町村単位で見ると、投票率が高い街(低い街)にはどんな特徴があるか? 基本的には地方ほど投票率が高く、人口が多い都市部は低い傾向がある。例えば東京都は、前回参院選投票率51.77%と全国平均を上回ったが、最も投票率が高い自治体と最も低い自治体では、40ポイント近い差がある(下表)。
都で最も投票率が高かったのは利島村(としまむら)で83.73%。人口300人、周囲8kmの離島で、椿(つばき)油の生産地として知られる。一方、都で投票率最下位は瑞穂町(44.67%)。武蔵村山市や青梅市、羽村市、福生市などと接する西多摩郡の町だ。そして、足立区(46.35%)、武蔵村山市(46.72%)が続く。
なお、前回参院選で投票率トップの自治体は、鹿児島県三島村(みしまむら)で87.59%(上表)。 その名の通り3つの島からなる離島で、国政選挙から村長選挙まで常に9割前後の高い投票率を維持している。社会インフラ面で不利が生じないよう、島民が積極的に投票に参加する習慣が根づいているためだ。ちなみに投票率最下位は福岡市博多区(34.16%)だったが、これは選挙当日が強い雨だったことが影響している。
あなたの居住地の前回参院選投票率はどうだったか? 以下、全都道府県の市区町村別投票率を掲載する。確認して、投票率を少しでも上げるための方策を考えてみてほしい。
北海道の市区町村投票率(19年7月参院選)
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