明治、伊藤ハム米久ホールディングス、マルハニチロの3社は2022年6月17日、「めざせ1日80g! たんぱく摂(と)ろう会」を設立した。企業の垣根を越えて自治体とも連携し、学校での食育授業や、栄養士を招いた食育イベントを行う。たんぱく質摂取の重要性を訴えていくことで、あらゆる年代の人の健康を底上げしていきたい考えだ。

2022年6月17日、明治、伊藤ハム、マルハニチロの3社は「めざせ1日80g! たんぱく摂ろう会」を設立した
明治、伊藤ハム米久ホールディングス、マルハニチロの3社は2022年6月17日、「めざせ1日80g! たんぱく摂ろう会」を設立した

 「たんぱく質の可能性を信じて、全ての年代の人が健康かつ安心に暮らせるようにしていきたい。同じ志を持つ企業と取り組みを共にしていく」。明治の松田克也社長は、そう決意の言葉を述べた。

 明治、伊藤ハム米久ホールディングス、マルハニチロの3社は22年6月17日、「めざせ1日80g! たんぱく摂ろう会」を設立した。たんぱく摂ろう会は、3社が企業の垣根を越えて、たんぱく質摂取の重要性を啓発していく取り組みだ。地方自治体とも連携し、学校で食育授業を行ったり、栄養士を招いた食育イベントを開催したりする。それによって、たんぱく質摂取を消費者に促していく。

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 たんぱく摂ろう会を設立したのは、3社が共通して、現代日本人のたんぱく質摂取量の低下を課題と捉えているからだ。「子供の体力低下や、若年女性の過度なダイエットによる体調不良、中高年の基礎代謝の低下など、健康課題が顕在化しつつある」と、松田社長は危機感を募らせる。

 それらの原因となっているのが、たんぱく質不足を一因とする低栄養だ。日本栄養士会代表理事会長の中村丁次氏は、「筋肉や骨格など、人間の生命活動を維持しているのがたんぱく質だ」と説明する。これが不足すると、例えば若い女性では貧血などの健康被害や出産における低出生体重児の増加を引き起こしたり、高齢者では筋肉量が減り、やせすぎることによって心身の機能が低下したりする。

 「実際、多くの人が、目標(1日80g)と比べてたんぱく質摂取量が足りていない。男性では最大13g、女性では最大5g不足している」と松田社長は説明する。不足している分は食事の工夫で補っていく必要がある。そこで立ち上げたのが、たんぱく摂ろう会だ。

ミールキット付きの教科書で食育

 これまでも各社はたんぱく質不足解消に役立つ商品の開発に力を入れてきたというが、今回の取り組みでは「まず、たんぱく質の重要性を広めていきたい」(松田社長)とする。「この食品を摂れば、たんぱく質が摂取できて免疫力も上がるといった『魔法の食品』はない」と中村氏は強調した。

 具体的には2つの取り組みを行う。1つ目が、自治体との連携。22年9月上旬、長野県佐久市の小学校でたんぱく質に関する特別授業を行う予定だ。日本栄養士会監修の「たべる教科書」を用いて、たんぱく質の重要性や健康づくりの方法を教える。たべる教科書は、栄養価の高い朝食づくりが実際にできるよう、明治の牛乳や伊藤ハムのソーセージ、マルハニチロのツナフレークなどが入ったミールキットを同封しており、体験性に重きを置く。

たべる教科書
日本栄養士会監修の「たべる教科書」。たんぱく質の重要性や健康づくりの方法が学べる
ミールキットも付属している
体験性を重視して、明治の牛乳や伊藤ハムのソーセージ、マルハニチロのツナフレークなどが入ったミールキットを同封している

 佐久市が企画して、市内在住の小学生および高校生から、たんぱく質がしっかりと摂れるレシピを募る「ぴんぴんキラリ☆ こども料理コンテスト」にも協力していく。コンテスト受賞レシピは学校給食でのメニュー化も視野に入れるという。

 2つ目は、栄養士を招いた食育イベントだ。その最初のイベントは、「朝食の欠食率が高い」(松田社長)沖縄県で行う。「朝食の重要性とともに、たんぱく質を豊富に含んだ食事の重要性も知っていただきたい」(松田社長)。イベントは、「たんぱく摂ろう号」というエデュケーショナルカーで各地を回り、栄養士がたべる教科書をもとにレクチャーする形式だ。

たんぱく摂ろう号
イベントは、「たんぱく摂ろう号」というエデュケーショナルカーにて行う(写真/田村葉)

 いずれの取り組みも、「東京を含めて広げていきたい」(松田社長)。その他には、たんぱく質に関する調査や研究成果をウェブサイトで公開していく予定だという。「人生100年時代、全ての人が心身共に健康に暮らせる『ウェルネス社会』の実現に向けて、たんぱく質への意識を変えてもらうことから始めていきたい」と松田社長は意気込んだ。

(写真提供/めざせ1日80g! たんぱく摂ろう会)

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