日産自動車は2022年5月20日、新型EV(電気自動車)の「日産サクラ」(以下、サクラ)を同年夏に発売すると発表した。サクラは19年3月にフルモデルチェンジした軽ワゴン「日産デイズ」(以下、デイズ)の基本骨格を流用しながら、バッテリーやモーターを搭載している。
サクラという日本語の名を与えられた同車は、その名にふさわしく、随所に和のモチーフを取り入れている。インパネ周りの収納には桜の花びらをちりばめ、アルミホイールなどには「ご祝儀袋」などに用いられる「水引」をモチーフにした装飾を施している。グリルやテールランプなどには「格子」をデザインするなど、日本の伝統的な美を、最も現代的と言えるEVのデザインとうまく融合させている。
ボディーカラーで四季を表現
全15色を用意したボディーカラーには、四季の彩りをイメージさせるシーズンズカラー4色を設定。満開の桜のような「ブロッサムピンク」、夏の青空を思わせる「ソルベブルー」、実りの秋のような「暁─アカツキ─サンライズカッパー」、雪景色を思わせる「ホワイトパール」と、ボディーカラーでも四季の移ろいを表現し、日本の美意識を取り入れた。
サクラの基本骨格はデイズと共通だが、エクステリアではボディーパネルを新たにデザインし直している。なめらかな面の表現やグリルの造形から、サクラは「デイズのEV版」ではなく、先行する同社のEVである「日産アリア」「日産リーフ」に続くEV3兄弟の“末っ子”としてデザインされていることが分かる。
ヘッドライトなどにアリアとの共通性
特に、軽自動車初となるプロジェクタータイプの3眼ヘッドライトの形状や、ヘッドライトのいわゆる「目尻」からリヤエンドまで一気に伸びるキャラクターラインなどにより、アリアとの共通性を強く打ち出している。こうしてEV3兄弟を並べてみると、次期リーフのデザインの方向性も見えてくる。
なお、デイズは日産と三菱自動車の合弁会社NMKV(東京・港)が開発したもので、兄弟車に「三菱eKワゴン/eKクロス」がある。三菱自動車も同日、サクラの兄弟車となるEV「eKクロス EV」を発表している。
(写真提供/日産自動車)
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