パナソニックで先行開発を推進するデザインスタジオ「FUTURE LIFE FACTORY」は2022年3月10~16日、「あなたと未来のくらしを問う7日間 REMIXED REALITY EXHIBITION」と呼ぶイベントを東京・世田谷の「下北沢 BONUS TRACK」で開催した。関連企画としてインスタレーション「言山百景」を4月13~17日に東京・中央の「BnA_WALL」で実施。常識にとらわれない発想で、新規事業の種や未来の暮らしのビジョンを作品として表現した。

イベントの3領域のうち「コミュニティ」の作品「言山百景(ことやまひゃっけい)」。壁に投影した街の風景に対し、参加者がスマートフォンに入力した「言葉」(写真の場合は「へいわ」)が重なるようにした。マッキャンアルファ(東京・港)やKonel(東京・中央)、マグナレクタ(東京・港)も開発に参加(写真/丸毛 透)
イベントの3領域のうち「コミュニティ」の作品「言山百景(ことやまひゃっけい)」。壁に投影した街の風景に対し、参加者がスマートフォンに入力した「言葉」(写真の場合は「へいわ」)が重なるようにした。マッキャンアルファ(東京・港)やKonel(東京・中央)、マグナレクタ(東京・港)も開発に参加(写真/丸毛 透)

 「あなたと未来のくらしを問う7日間 REMIXED REALITY EXHIBITION」のテーマは“再編集=Remix”だ。メタバースなどデジタルの世界とフィジカルの世界の境界が次第に曖昧になり、融合するとどうなるか。そうした未来における人と暮らしの新たな価値を、再編集と呼んで問いかけた。具体的には「コミュニティ」「ライフスタイル」「パーソナリティ」の3つの領域でデザインした作品を展示した。

 コミュニティでは「見知らぬ景色に、言葉と関係性を生み落とす」のテーマで言山百景をつくった。デジタル化が進んで人の物理的な移動が減少すれば「人と地域とのつながり」が次第に希薄化していくと想定。そうした未来の新たな関係性を「言葉」で表現しようとした。モチーフとなったのは、旅行先の美術館や宿に置かれたノートにメッセージを残した体験。100人の参加者がスマートフォンに言葉を打ち込むと、3次元プリンターでリアルな言葉を作成し、さまざまな街の投影画像に重なるようにした。自分が残した言葉から地域とのつながりをほのかに感じる、ノスタルジックな思いを再現したという。今回はインスタレーションだが、同様の仕掛けを用いて各地でリアルなイベントを実施する方針。

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