くら寿司がグローバル旗艦店「くら寿司 スカイツリー押上駅前店」(以下、押上駅前店)をオープンした。同店舗は「浅草ROX店」「道頓堀店」「原宿店」に続く、4つ目のグローバル旗艦店。ほかの旗艦店と同様に、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がプロデュースした。

「くら寿司 スカイツリー押上駅前店」の1階に設置された「ビッくらポン!DX」。ボールの動きにデジタルサイネージが連動するというリアルとデジタルが融合した仕掛けとなっている。壁面一面を覆う巨大さが、さらにわくわく感を募らせる
「くら寿司 スカイツリー押上駅前店」の1階に設置された「ビッくらポン!DX」。ボールの動きにデジタルサイネージが連動するというリアルとデジタルが融合した仕掛けとなっている。壁面一面を覆う巨大さが、さらにわくわく感を募らせる

 2022年3月31日にオープンした押上駅前店は1階と2階で構成し、広さは834平方メートルと、くら寿司で最大規模の店舗面積を誇る。席数も277席と最多。押上駅のそばには東京のランドマークといえる「東京スカイツリー」があり、押上駅前店の1階と2階からも見える。オープン前日に開催した記者発表会に登壇した、くら寿司取締役副社長の田中信氏は「東京スカイツリーは平日も休日も問わずにぎわう、最高にクールなジャパンカルチャーの発信基地」と話す。今後、コロナ禍が収まれば、さらに国内外の旅行者が集う場所となりそうだ。

スカイツリー押上駅前店の外観。くら寿司には珍しく2階建て。夜は窓に設置された「カラフル提灯ウォール」が光り、映えるデザインとなっている
スカイツリー押上駅前店の外観。くら寿司には珍しく2階建て。夜は窓に設置された「カラフル提灯ウォール」が光り、映えるデザインとなっている

デジタルアトラクションで楽しく

 くら寿司のグローバル旗艦店の内装はいずれも江戸時代のテイストを表現したデザインにしている。回転ずしが江戸時代の屋台を発祥としていることからきているという。さらに「安くておいしい、そして楽しいすし店とは何か」という点を重視し、くら寿司と佐藤氏が何度も話し合いを重ねて、グローバル旗艦店のデザインを考えてきた。

 押上駅前店についても、記者発表会で紹介されたビデオメッセージの中で佐藤氏は「今までにまったく見たことのない回転ずし店」と言い切る。

 江戸時代のテイストを表現するため、さまざまな色に光る「カラフル提灯ウォール」や「巨大浮世絵」などを備えた。フォトスポットとしての「写真映え」も意識したという。

内装は白木を基調とした清潔なデザイン
内装は白木を基調とした清潔なデザイン
1階と2階の窓に設置されているカラフル提灯ウォールから「東京スカイツリー」が見える
1階と2階の窓に設置されているカラフル提灯ウォールから「東京スカイツリー」が見える

 楽しいすし店を追求するため、ほかの旗艦店より「店タメ」を強化しているという。店タメとは同社の造語で「店内エンターテインメント」の略。くら寿司ではこれまでも、子供が楽しめる店タメコンテンツを導入してきた。

 例えば、食べ終わった皿を回収口に投入すると景品が当たるゲーム「ビッくらポン!」は、同社の象徴といえる。そこで押上駅前店ではビッくらポン!を巨大化かつデジタル化した「ビッくらポン!DX」を開発したほか、浅草ROXで好評の射的をデジタル化した「ビッくらギョ!」も導入した。

 ビッくらポン!DXは店内の1階と2階に設置しており、特に1階のビッくらポン!DXは、壁面一面を使った巨大さ。ビッくらポン!で当たりが出ると座席のタッチパネルにQRコードを表示し、自分のスマートフォンで読み込んでビッくらポン!DXを体験できる。当たりが出るとボールが動き、ビッくらポン!DXのサイネージが連動して盛り上げる豪華な仕掛けに進化している。

 ビッくらギョ!は押上駅前店に合わせて、新しく開発したゲームだ。魚を撃つと、得点によって景品の数が変わるという。縁日的な要素を残しつつ、子供も大人も楽しめるアトラクションにしている。

射的をデジタル化した「ビッくらギョ!」
射的をデジタル化した「ビッくらギョ!」

店内飲食をより安心安全に

 コロナ禍下における対策として、入店から退店まで、店員が顧客と対面せずにサービスを提供できる「スマートくら寿司」のシステムも装備。来店時間のスマホでの予約、来店後の自動案内機によるセルフ案内、着席後のスマホでの注文が可能だ。スマートくら寿司は「21年12月に国内全店に完備した」と田中氏は言う。

 回転レーン周りのテーブル席も感染症対策を意識した、のれん付きのボックスシートで構成。アクリルパネルを設置したカウンター席も用意している。テーブルを含めた白木づくりの内装は日本らしさに加え、清潔感も感じる。各テーブルにある裸電球をイメージしたLEDライトは、和のテイストを体験できる仕掛けの1つにもなっている。

 「コロナ禍により、外食産業は経営的に厳しい状況が続いている。だがアフターコロナには旅行に次いで、外食が人気になってくるという調査もある。店内飲食の魅力を高めるべく、新たな付加価値づくりに取り組み、5~6年前から旗艦店戦略を考えていた」(田中氏)

 佐藤氏は「くら寿司は外食の常識を革新し、新しい店をつくり続けている」とコメント。コロナ禍が落ち着いてくれれば、店タメなどを武器にした押上駅前店は多くの人の心をつかみそうだ。

佐藤可士和氏がプロデュースしたグローバル旗艦店にはそれぞれ特徴がある。「くら寿司 浅草ROX店」には射的や輪投げ、縁日スペースを設けて「和」のテイストを強調
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「くら寿司 道頓堀店」は大阪がテーマ。たくさんの提灯(ちょうちん)のほか、大阪の祭りを描いた浮世絵で大阪らしさを表現
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「くら寿司 原宿店」はZ世代がターゲット。クレープも販売し、「世界一映えるすし屋」として話題になるなど若者向けに
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(写真提供/くら寿司)

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