パーソナルスタイリングの要素を取り入れたファッションEC「DROBE(ドローブ)」を運営するDROBE(東京・渋谷)が、独自開発のAI(人工知能)を用いたオリジナル商品の開発を始めた。既に2021年秋冬シーズンに試験的に商品を投入。今後はアパレルブランドとも提携し、DROBEで販売するブランドの新商品の開発・販売も目指す。

22年4月7日の記者会見で、AIを駆使したオリジナル商品の開発プロセスを解説するDROBE CEO(最高経営責任者)の山敷守氏
2022年4月7日の記者会見で、AIを駆使したオリジナル商品の開発プロセスを解説するDROBE CEO(最高経営責任者)の山敷守氏

 DROBEのサービスの特徴は、その販売方法にある。まずユーザーに対して、服の好みやライフスタイル、体形など70項目のアンケートに回答を求める。その回答結果と、既存会員の購買履歴データなどを分析して、独自開発のAIがユーザーごとに推奨する服の候補をリストアップ。その後、プロのスタイリストが、このAIのリストを踏まえて、ユーザーに合いそうな服を選ぶのだ。

 選定した服は、発送前に写真付きでユーザーに報告。この時点でユーザーが不要と思ったものは除き、この服を選んだ理由や着こなし方法をスタイリストが記した「カルテ」とともに、5着をユーザーに送付する。ユーザーは届いた服を自宅で試着し、気に入った服だけを購入。残りは返送する。悩んだ場合は、「LINE」を通じてスタイリストに相談することもできる。購入・返送を決めた後、ユーザーは服ごとに色やデザイン、サイズなどについて、満足度をDROBEにフィードバックする仕組み。試着してみて5着すべて気に入らなかった場合は、全部返送することも可能だ。

 DROBEが1回当たり(毎月)3190円(税・送料込み)で提供しているこの「セレクトBOX」と呼ぶサービスが、「『どんな服を着ればよいか自信がない』『買い物で失敗した』という思いを持つ、多くの働く女性を引きつけた」(DROBE CEO[最高経営責任者]の山敷守氏)。2020年3月の本格サービス開始以来、売り上げは徐々に上昇して21年12月に月商1億円を突破。会員ユーザー数も10万人を超え、「その多くがリピーターになっている」(山敷氏)。取扱商品数も、200以上のブランドを対象に15万点以上の商品を取りそろえるまでになった。順調に成長していると言ってよい。

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買わない理由、気に入らない理由が分かる

 DROBEは会員一人ひとりについて、購買履歴はもちろん、どんな服を買わなかったという履歴や、提示した商品それぞれについてどこが良かったのか、どこが気に入らなかったのかというデータを得られる。そこでこれらのデータをAIで分析し、商品の企画・開発にも生かそうと考え、21年秋冬シーズン向けから試験的にオリジナル商品の開発に踏み切った。

商品情報の要素を組み合わせてパターンを考案し、AIで分析して、実際に会員ユーザーが購入しそうなパターンを選び出せる(出所/DROBE)
商品情報の要素を組み合わせてパターンを考案し、AIで分析して、実際に会員ユーザーが購入しそうなパターンを選び出せる(出所/DROBE)

 その開発過程はこんな具合だ。まず1つの商品について、素材や首回り、袖の長さ、シルエットといった生産前に分かっている商品情報の要素を組み合わせ、1万以上のパターンを考案。これまで蓄積してきたデータをAIで分析し、10万人以上の会員ユーザーごとに、それぞれの商品パターンの好みを示すスコアを算出。それらを合わせて高スコアを示したパターンをいくつか抽出して、サンプル商品として製作する。そのサンプル品を、肌触りやVネックの開き具合などまだAIでは分析し切れない部分について、スタイリストの目でチェックし、微修正して本格生産する。

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