バンダイナムコグループは2022年3月29日、「ガンダムメタバースプロジェクト」の概要を公開した。ガンプラやアニメ、音楽などジャンルごとのコミュニティー「スペースコロニー」を作り、ファンやパートナー企業をつなぐ。25年に売り上げ1500億円を目指すガンダムIP事業の足がかりともする。

バンダイナムコグループはメタバースを介して同グループとユーザー、またはユーザー同士をつなぐ「ガンダムメタバースプロジェクト」を始動した
バンダイナムコグループはメタバースを介して同グループとユーザー、またはユーザー同士をつなぐ「ガンダムメタバースプロジェクト」を始動した

ガンダムファンが集うVR空間

 2022年3月29日に開催された発表会「第3回ガンダムカンファレンス」には、バンダイナムコグループでガンダム事業を統括するチーフガンダムオフィサー(CGO)の藤原孝史氏が登壇。バンダイナムコエンターテインメント社内に設けられた動画配信スタジオ「MIRAIKEN studio」で制作したバーチャルなステージに立って、バンダイナムコグループのガンダム関連事業の現状と展望を解説した。

 これによると、バンダイナムコグループとしての21年度のガンダム関連事業の売り上げは1080億円。22年度は1150億円を計画しており、「25年度に売り上げ1500億円という目標に向けてターニングポイントとなる年」と藤原氏は定義した。

藤原孝史氏は、「MIRAIKEN studio」で制作したバーチャルなステージで発表
藤原孝史氏は、「MIRAIKEN studio」で制作したバーチャルなステージで発表

 また、以前から提示している「ガンダムをキャラクター“IP(知的財産)”から社会的アイコン“SP”(Social Property)へ成長させる」という目標に改めて言及。世界的に話題を創出するワールドワイド戦略軸、ターゲット別に玩具などの商品とも連動させて作品を展開する作品軸、ガンダムを通じてサステナブルなどの社会的問題に取り組むGUDA(GUNDAM UNIVERSAL CENTURY DEVELOPMENT ACTION)軸という3つの軸で事業を推進する方針を示した。

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 このうち、最も話題性があるのがワールドワイド戦略軸、そこに位置づけられた「ガンダムメタバースプロジェクト」だ。

 バンダイナムコグループでは、22年4月から掲げる中期ビジョン「Connect with Fans」の重点戦略の1つとして、IPでファンとつながる「IPメタバース」を設定した。これは、メタバースを介し、バンダイナムコグループとファン、あるいはファン同士をつなぐ仕組みで、その第1弾がガンダムメタバースとなる。

 ガンダムカンファレンスで流れたイメージ映像では、メタバース上に世界中のガンダムファンが集い、語り合ったり、ライブイベントに参加したりする様子が描かれていた。

 藤原氏は「メタバースの定義は日々進化している中、ガンダムならではのメタバースを作る必要がある」と説明。「ファンにとって魅力的な場を共創し、ファンと共に成長を続けるもの」にするとして、いきなり完成形を目指すのではなく、カテゴリーごとに小さなバーチャルコミュニティーを作り、それを共通の「バンダイナムコID」で連結していく計画を明らかにした。

スペースコロニーになぞらえコミュニティーを形成

 この計画でユニークなのは、カテゴリーごとのバーチャルコミュニティーを、ガンダムの世界観になぞらえて、「スペースコロニー」と呼んでいる点だ。「アニメ」「ガンプラ」「ゲーム」「音楽」などのスペースコロニーを、仮想空間という広大な宇宙に続々と打ち上げ、今後、そのスペースコロニーをつなぐことで“ガンダムメタバース宙域”「GUNDAM METAVERSE SIDE-G」を作り上げていくというのである。

ガンダムメタバースのコンセプト。カテゴリーごとのバーチャルコミュニティーをバンダイナムコIDとガンダムというコンセプトでつなぐ
ガンダムメタバースのコンセプト。カテゴリーごとのバーチャルコミュニティーをバンダイナムコIDとガンダムというコンセプトでつなぐ

 最初に打ち上げるのは、「GUNPLA COLONY(ガンプラコロニー)」だ。21年8~9月に期間限定でテスト運営したバーチャル空間「THE GUNDAM BASE VIRTUAL WORLD -Trial version-」を「ガンダムベースガンプラコロニー店」として正式展開するべく、22年秋に期間限定でテストオープンする。

 バンダイナムコIDごとのマイルーム機能も実装し、ガンプラを通じたコミュニティー形成を推進。将来的には、自分で作ったガンプラをスキャンしてバーチャル空間上で公開する「ガンプラコンテスト」やそれらを戦わせる「ガンプラバトル」、ガンプラのオンライン講座なども実施する予定だ。

最初に打ち上げる「GUNPLA COLONY(ガンプラコロニー)」はガンプラに関するサービスなどを集約
最初に打ち上げる「GUNPLA COLONY(ガンプラコロニー)」はガンプラに関するサービスなどを集約
「THE GUNDAM BASE VIRTUAL WORLD -Trial version-」を「ガンダムベースガンプラコロニー店」として正式オープンする
「THE GUNDAM BASE VIRTUAL WORLD -Trial version-」を「ガンダムベースガンプラコロニー店」として正式オープンする

 これに続くコロニーとしては、23年の完成に向け「esports COLONY(eスポーツコロニー)」を建設中。その一部として、eスポーツに特化したガンダム発のFPS(First Person Shooter、一人称視点のシューティングゲーム)『GUNDAM EVOLUTION』を22年に正式稼働。6対6でオンラインマルチプレーができる『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』と併せて国内外に展開し、世界中のガンダムファンが参加できるゲームコミュニティーを生み出す。

 順次、ほかのコロニーも打ち上げ、「ガンプラが45周年を迎える25年にはスペースコロニーをつないだSIDE-Gの全貌が見えるようにしたい」と藤原氏。「仮想空間上にガンダムファン100万年、1000万年の生活圏を構築することを目指し、新たな経済圏を創出する。これが25年の売り上げ1500億円の達成、それ以降のさらなる規模へとガンダム関連事業を成長させていく柱ともなる」と述べた。

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