公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA、東京・港)は通巻42冊目となる年鑑「Graphic Design in Japan(GDJ) 2022」の掲載作品選考会を2022年2月に開催。第24回亀倉雄策賞やJAGDA賞2022、JAGDA新人賞2022を決定した。
今回の出品総数は1971作品(出品者数は345人)となった。選考委員はJAGDA会員から29人。審査した結果、554作品(同193人)を入選とし、22年7月に発行予定の年鑑に掲載する。
亀倉雄策賞は、GDJ出品作品から最も輝いている作品と制作者に授与する。今回の第24回亀倉雄策賞では、大貫卓也氏がデザインをした、平和を求めるキャンペーンポスターと関連制作物の「HIROSHIMA APPEALS 2021」が受賞した。HIROSHIMA APPEALSは国内外に向けて平和を求める活動で、毎年JAGDAを代表して会員がボランティアで制作するシリーズのポスターだ。
HIROSHIMA APPEALS 2021はAR(拡張現実)を使って、AR専用アプリの「aug!(オーグ)」をダウンロードしたスマートフォンをポスターにかざすと、ポスターのビジュアルが動き出すという仕掛け。ポスターに描かれているのは、平和の象徴である白いハトが入ったスノードーム。そのスノードームには黒い粉が封入され、スマホをポスターにかざすと次第に黒い粉がドーム内に充満するようになる。白いハトが真っ黒に染まることで戦争や原爆、黒い雨などをイメージさせる。さらにその後は、黒い粉はゆっくりとドームの底に落ちていき、もとの白いハトの姿が再び現れる。
大貫氏は同作品について、「原子爆弾にリアリティーを持たなくなってしまった世代の若者へ、一瞬でも、考え、想像させる時間を持ってもらうための表現として考えている」と、JAGDA広島地区のウェブサイトでコメントした。
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