好調のB-R サーティワン アイスクリーム(東京・品川)が、既存の「スイーツ専門店市場」からのシェア獲得を宣言した。その戦略は毎月の新作フレーバー発売や、2021年に発売し同社の売り上げをけん引するテークアウト商品の認知度向上、店舗の改装など様々だ。

2021年はテークアウト商品を中心に好調だったというB-R サーティワン アイスクリーム。中でもアイスケーキは人気があり、21年3月10日に発売された「31 デコケーキ カラフル☆ポップ」は自分でアレンジできる点も人気となったという商品だ。実勢価格は4000円前後(税込み)
2021年はテークアウト商品を中心に好調だったというB-R サーティワン アイスクリーム。中でもアイスケーキは人気があり、21年3月10日に発売された「31 デコケーキ カラフル☆ポップ」は自分でアレンジできる点も人気となったという商品だ。実勢価格は4000円前後(税込み)

2013年以来の最高益達成

 B-R サーティワン アイスクリームが2022年の事業方針発表会で、既存の「スイーツ専門店市場」からのシェア獲得を宣言。21年に発表した「10年後の2031年に税引き前利益31億円を達成するという長期経営計画(LRP:ロングレンジプラン)」を遂行していく。

 発表会に登壇したジョン・キム会長は、21年度はLRPの4つの柱として打ち立てた「ブランドパワー強化」「デジタル化」「スマート31」「販売拠点の拡大」に沿ってそれぞれの施策を遂行したと説明。21年第1四半期は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言発出により店舗での飲食に影響があったものの、同社で長年支持を得てきた「バラエティパック」をリニューアルして21年4月に新発売した「バラエティボックス」や「アイスクリームケーキ」「ハンドパック」といったテークアウト商品の伸長により、第2四半期から売り上げはプラスになった。結果、21年度は売上高が194億円で計画を6億3800万円、税引き前利益は12億円で計画を4億5900万円、前年を4億9600万円それぞれ上回ったという。

 「当社にとって13年以来の最高益達成となった。22年度は引き続きコロナ禍による不確実性、かつ変化し続ける外的状況を考慮し、予算においては売上高194億円、税引き前利益12億1000万円を目指す」とキム会長。好調ながらも慎重な姿勢なのは、「コロナ禍の影響を受けた原材料費や物流費の上昇、円安による圧力などにより、22年は4億円強のコスト増が見込まれている」(キム会長)からだ。現時点では、サプライヤーとの協調や為替リスクヘッジ、デジタル化の取り組みの加速などによりコストの最適化を図り、できる限り現在の卸価格を維持する考えだ。

B-R サーティワン アイスクリームのジョン・キム会長
B-R サーティワン アイスクリームのジョン・キム会長

スイーツ専門店市場からシェアを獲得

 ただLRP達成には22年も積極的な戦略が必要だ。同社の調査(※)によれば、アイスクリームを含めたスイーツ市場の全体市場規模は8638億円で、小売市場(62%)と専門店市場(38%)に大きく分けられる。小売市場はスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアでの販売を指すが、これらの購入客はスイーツだけを目的として訪れるわけではなく、同社の顧客ニーズとは必ずしも合っていない。

※B-R サーティワン アイスクリームの独自調査。調査対象は月1回以上スイーツ・アイスを購入する消費者、かつサーティワンが日常生活圏にある消費者を対象とした市場。

 一方、専門店市場については、スイーツ専門店(31%)とアイスクリーム専門店(7%)に分類できるが、「アイスクリーム専門店市場においては7%のうち5%のシェアを獲得しており、ほぼ独占できていると考えている」(キム会長)。さらに「スイーツ専門店市場とアイスクリーム専門店市場の消費者のニーズは似通っている」(キム会長)ことから、同社では専門店市場、とりわけスイーツ専門店市場からのシェア獲得を狙う方針を示した。

 そのためのポイントは生活者のデマンド(需要)を捉えることで、同社は攻略すべきデマンドを「選びたい」&「あの味」、「子供」、「一緒に」と名付けた3つの独自のカテゴリーに分類し、「商品価値+体験価値を提供していく」(キム会長)。

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