100円ショップ最大手の「ダイソー」を運営する大創産業(広島県東広島市)は2022年3月14日、同社として初めてLINE公式アカウントの取り組みを本格的に開始し、LINEミニアプリも活用していく。非接触への対応や、顧客データ分析に生かすための施策を強化し、従来のアナログ重視戦略から転換する。

ダイソーLINEミニアプリを新たに開発し、シールキャンペーンを展開する
ダイソーLINEミニアプリを新たに開発し、シールキャンペーンを展開する

 生活用品から趣味のものまで、約7万6000種類の商品を扱うダイソーでは、低コストかつ実用性の高さという商品価値で顧客を引き付けることを主眼に置いてきた。多くのチェーン店が、専用アプリなどのデジタル対応を進める中で、IT接客から一歩距離を置いていたダイソーは異端だったとも言える。そうした中で、同社が集客のために取り組んで来た施策としては、春夏と秋冬、年に2回実施しているシールキャンペーンがある。購入時にもらうシールを台紙に貼り、数十枚集めることで特定の商品を安く購入できるというものだ。

 このシールキャンペーンは紙の用紙やシールをレジで店員が手渡し、また顧客が集めたものを回収するというアナログ運用が中心だった。新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、販売の現場では、非接触・非対面の対応が求められる。紙の削減による環境への配慮のほか、データ分析による業務の改善や効率化、新たな顧客とのコミュニケーションも必要となる。これら課題の解決を目指し、LINE公式アカウントの開設と、LINEミニアプリの運用に踏み切った。

デジクル(東京・渋谷)のアプリ構築ツール「デジクル for LINEミニアプリ」を利用した
デジクル(東京・渋谷)のアプリ構築ツール「デジクル for LINEミニアプリ」を利用した

 3月14日からLINEミニアプリを使った「だんぜん!ダイソーdeシールキャンペーン」を実施する。既にLINEを利用しているユーザーであれば、店頭POPや指定のURLからLINEミニアプリを起動するだけで利用可能となる。会計時にアプリでバーコードを表示し、レジで読み取ることでデジタルシールを獲得できる。一定の枚数を集めると、LINEミニアプリ上で景品を選び、店頭で交換できる。

 LINEミニアプリによるシールキャンペーンは、第1弾として南関東(東京・千葉・神奈川)の575店舗で展開する。順次全国へと拡大していく予定だ。電通グループ傘下で小売・飲食業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業を展開するデジクル(東京・渋谷)のアプリ構築ツール「デジクル for LINEミニアプリ」で構築した。オフラインとオンラインを横断したユーザーデータの取得や活用が可能となるという。

画面は21年9月から22年1月にかけて実施した前回のシールキャンペーン。35枚で2530円のシェフナイフが440円になるなど、お得感の大きい商品がラインアップされた
画面は21年9月から22年1月にかけて実施した前回のシールキャンペーン。35枚で2530円のシェフナイフが440円になるなど、お得感の大きい商品がラインアップされた
LINEミニアプリからバーコードを表示して会計時に提示すると、シールが付与される
LINEミニアプリからバーコードを表示して会計時に提示すると、シールが付与される

 大創産業は22年3月で50周年を迎えた。各種キャンペーンを展開するほか、22年4月15日には「ダイソー」の旗艦店を東京・銀座にオープンするなど新たな動きを加速している ▼関連記事:銀座にダイソーが初出店 ニトリ撤退スペースに旗艦店

 同社は店内の接客ではアナログ路線を取ってきたものの、店舗を支える背後のシステムでは米アマゾンウェブサービスのツールで販売予測を立てるなどデジタル活用を推進してきた ▼関連記事:AWSが機能強化でBIツールにも価格競争か ダイソーが乗り換え 。今回のLINEアプリを皮切りに、より深く顧客を理解し、コミュニケーションを増やしていく全方位のDXが加速しそうだ。

(写真提供/大創産業、デジクル)

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