インターブランドジャパン(東京・渋谷)が2022年2月24日、日本発のブランドを対象としたブランド価値ランキング「Best Japan Brands 2022」を発表。トップ100ブランドの価値総額の対前年比成長率がプラスに転じるなど、リーディングブランドの価値は回復基調。トヨタが14年連続1位、メルカリが39%増とトップ100ブランドで最高の成長率となった。

(写真/Shutterstock)
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 インターブランドではブランドを「常に変化する事業資産である」と定義しており、企業の収益を生み出す成長ドライバーと考えている。そのため、ランキングではブランドに対する好意度や認知度などに加え、収益貢献を踏まえた独自のロジックでブランド価値を金額で算出している。

 算出のポイントは3つ。1つ目は財務分析で、将来的な収益性の高さを重視する。2つ目がブランドの収益貢献度だ。ブランドが将来の収益に与える影響力で評価する。3つ目は「ブランド強度」と呼ぶ指標。将来的にブランドが収益に与える確実性を評価する。

 ブランド強度は3カテゴリーで算出する。社内指標の「リーダーシップ」はブランドの目指す方向性の定義や、それを実行する組織の力で評価する。社外指標「エンゲージメント」はブランドの独自性、ブランド体験の一貫性、顧客を巻き込む共創性が基準となる。最後は関与度を表す「レレバンス」でメディアを通じた存在感や影響力、愛着度などで評価する。こうした算出基準を踏まえ、ランキングを見ていこう。

日本発ブランドの価値ランキング「Best Japan Brands 2022」の上位20ブランド。トヨタが14年連続で1位。サントリーのブランド価値はサントリーHDの数値をベースに評価。前年と比較対象が異なるため、前年比は空白となっている
日本発ブランドの価値ランキング「Best Japan Brands 2022」の上位20ブランド。トヨタが14年連続で1位。サントリーのブランド価値はサントリーHDの数値をベースに評価。前年と比較対象が異なるため、前年比は空白となっている

 1位はトヨタ。ブランド価値541億700万米ドルで、14年連続で1位となった。2位のホンダ、3位のソニー、4位の日産までは前年と同様。前年はトップ100に入った自動車ブランドはすべて前年比マイナスだったが、今回はほとんどのブランドが前年比プラスに。

 トップ100ブランド全体で見ても、価値総額の対前年比成長率がプラス6.9%(前年はマイナス3.9%)、価値減少ブランドが前年の48から21に減るなど、「国内のリーディングブランドの価値は回復基調にある」とインターブランドジャパンの並木将仁社長は分析する。

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