一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会(横浜市、以下IAUD)は2022年1月28日、オンラインで「IAUD国際デザイン賞2021」の表彰式を開催。世界9カ国から応募された54件を審査した結果、「大賞」2件と「金賞」9件、「銀賞」18件、「銅賞」10件を選定した。国内企業では三菱電機と兼松コミュニケーションズの「聴覚障がいや言語の壁を乗り越える『しゃべり描きアプリ』の取り組み」が大賞を獲得した。
2011年の創設以来、11回目を迎えたIAUD国際デザイン賞は、持続的な共生社会の実現に向けた活動の実践や提案を表彰している。ユニバーサルデザインの基本理念といえる包括性(inclusivity)は、「誰一人取り残さない」というSDGs(持続的な開発目標)にも一致しており、ますます重要になってきている。今回は日本のほか、イスラエルやイタリア、オーストラリア、スペイン、タイ、ドイツ、ノルウェー、フランスなどの企業や団体から応募があり、オンラインの表彰式に約200人が参加するなど、国際的に注目を集めている。「学生デザインチャレンジ」と呼ぶ賞を新設し、学生の活動も評価した。
大賞の三菱電機と兼松コミュニケーションズ(東京・渋谷)の「聴覚障がいや言語の壁を乗り越える『しゃべり描きアプリ』の取り組み」は、話した言葉を画面上に表示するというシステム。画面を指でなぞった「軌跡」に文字が出てくるため、筆談よりも手軽なコミュニケーションができるという。外国語の翻訳機能も備える。三菱電機の統合デザイン研究所で開発し、兼松コミュニケーションズが事業化している。19年に両社で発表後、複数の端末間で画面共有するなど、さまざまな機能を追加して進化。社会貢献としても障がい者支援団体などに無償提供してきた。
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