2018年にスタートしてから、4年目にして月商1億円を突破するなど、破竹の勢いで業績を伸ばしているファッションブランドがある。身長155cm以下の小柄な女性向けの服を専門に扱う「COHINA(コヒナ)」だ。なぜ、若い女性を中心に熱量の高いファンに愛されるようになったのか。日経クロストレンドが2022年2月25日に開催する無料オンラインセミナー「“推し”が消費を動かす」に登壇するCOHINA代表の田中絢子氏に聞いた。

なぜ「COHINA(コヒナ)」はZ世代をはじめ多くの女性たちに愛されるのか。その理由を代表の田中絢子氏に聞いた
なぜ「COHINA(コヒナ)」はZ世代をはじめ多くの女性たちに愛されるのか。その理由を代表の田中絢子氏に聞いた

 もともと低身長の女性に向けたファッションブランドに着目したのは、148cmと自身が小柄で「ぴったりのサイズの洋服がないことに悩み続けてきたから」と、COHINA(コヒナ)の代表兼ディレクターの田中絢子氏は話す。

 「洋服があふれているのに、自分に合うものがなくてずっと世の中にフィットしていない感覚がありました。自分で身長を選んだわけではないのに、自由が制限されてしまう。もしかしたら、そんなふうに悩んでいる人は私だけじゃないのでは、と考えたのが創業のきっかけです」と田中氏は続ける。

 日本女性のうち、155cm以下の身長の人は約30%と、決して少なくない。しかし、高身長女性向けの大きめのサイズに比べて、小柄な女性に向けたブランドや商品はほとんどなかった。十分に需要はあると勝機を見いだした田中氏は、どのような形態でビジネスを始めるのが最適かを調査していった。その結果、選択したのがD2C(Direct to Consumer)だった。

小柄女性は、7分丈を選んだり、子供服を着たりするなど工夫をして乗りきっていたという。COHINAでは、ただ既存のファッションを小さくするのではなく、小柄女性の課題を解決するためにデザインをしているのが人気の理由
小柄女性は、7分丈を選んだり、子供服を着たりするなど工夫をして乗りきっていたという。COHINAでは、ただ既存のファッションを小さくするのではなく、小柄女性の課題を解決するためにデザインをしているのが人気の理由

 今でこそ、D2Cは販売手法として確立されつつあるが、COHINAが誕生した18年当時は、日本ではまだなじみが薄かった。しかし、米国ではメジャーなビジネス手法として認知されていたことに加え、顧客とダイレクトにつながれる直販のスタイルに田中氏は興味を持つ。リサーチしていくと、小さなブランドとしてスタートするにはベストな方法だと感じたという。「資金も人手もない私たちがビジネスを始めるには、利益率の低い卸売販売やコストがかかる店舗運営をするのは難しい。そうなると、SNSでなるべくコストをかけずにお客様にアプローチし、直接コミュニケーションを取りながら商品を届ける方法が一番いい」と、田中氏は判断をした。

商品を作る前からInstagramで交流をスタート

 当初は販売する商品はもちろん、資金も人手も十分とはいえない“ゼロ”からのスタート。ブランドの知名度を高めるために最初に取り組んだのが、田中氏が学生時代からファッションや美容などの情報収集の手段として慣れ親しんでいたInstagramを活用することだった。

 商品が完成していなかったため、自社商品の宣伝をするのではなく、「小柄な女性に役立つ情報を提供する」アカウントとして始めた。

 「例えば、『このブランドのXSサイズを買ってみたら、サイズ感がすごく良かった』とか、コーディネートのビフォアアフター、小柄な女性がスタイル良く見える着こなし方など。フォローをすると、何かしら役に立つ情報が得られると思ってもらえるアカウントを目指しました」(田中氏)。その思いは少しずつ同じ悩みを持つ女性たちに届き、いつしか小柄な女性からの悩み相談が届くようになった。

 ブランドのスタートに向けて、悩み相談に答えるなど徐々に双方向のコミュニケーションを重視した活動を強化。フォロワーからの反響は日増しに大きくなっていった。

 「私もずっと着られる服がなくて困っていた」「このアイテムをきれいに見せるにはどうしたらいい?」といったメッセージがダイレクトに届くようになり、人数だけで見ると1000人ほどと決して多くはないが、熱量が高く共感でつながった濃いフォロワーのコミュニティーが生まれた。「みんなで“小柄会を盛り上げよう”みたいな雰囲気になってきて、これならいける」と田中氏は手応えを感じたという。

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