多摩美術大学(以下、多摩美)は、長瀬産業が取り扱うプラスチック「Tritan(トライタン)」を用いた同大学学生の作品を、東京ミッドタウン・デザインハブ(東京・港)で展示した。美大生の視点で新商品のアイデアやデザインを探る産学協同プロジェクトの一環で、資生堂やコンビ(東京・台東)も参加した。

「EASTMAN社製樹脂〈Tritan〉を用いたサスティナブルなデザイン展」の会場で。左から多摩美術大学教授の中田希佳氏、同大学2年の平井遥佳氏、中本佳歩氏、小出倫太郎氏
「EASTMAN社製樹脂〈Tritan〉を用いたサスティナブルなデザイン展」の会場で。左から多摩美術大学教授の中田希佳氏、同大学2年の平井遥佳氏、中本佳歩氏、小出倫太郎氏

 多摩美と長瀬産業によるトライタンを使った産学協同プロジェクトは2021年で4回目だが、作品を一般に展示する試みは今回が初めて。トライタンは、透明なガラスのような見た目でありながら簡単に割れない強じんさも持っている樹脂。そうした特性を生かすため、同大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻の学生14人が「捨てるを減らす(Reduce)」「繰り返しの使用(Reuse)」「樹脂の再資源化(Recycle)」といった「3R」に、「修理・修繕(Repair)」「思い出させる価値(Remind)」を加えた「5R」を実現する作品を考えた。展示会は2021年12月7~11日に開催された。

 さらに資生堂とコンビが協賛し、資生堂からの「ニューノーマルにおける新しいビューティープロダクト」や、コンビからの「赤ちゃんを育てることが幸せだと思えるベビー用品」というテーマも踏まえた。長瀬産業の施設見学(21年は感染対策のためオンラインによる)も行った。完成後はプレゼンテーションを実施し、それぞれのテーマに応じた「資生堂賞」「コンビ賞」を1作品ずつ選出した。

 「SDGs(持続可能な開発目標)やサステナビリティー(持続可能性)が叫ばれる社会状況にあって、美大生たちから有意義な作品が出来上がったので披露したいと思った」(同大学生産デザイン学科プロダクト研究室教授の中田希佳氏)

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