ボルボ・カー・ジャパン(東京・港)は、2021年11月18日、ボルボの日本初投入となる電気自動車(EV)専用モデル「C40 リチャージ」を発表した。C40 リチャージは、オンラインによる販売のみとなる。発表当日から21年11月30日まで同車を対象とした限定100台の新たなサブスクリプション(定額課金)・キャンペーンへの応募を受け付け、最終的に約6倍となる575件の応募があった。オーナーは抽選で決定されるという。22年1月に公式サイトを開設し、サブスクリプションを除くファイナンスプログラムでのオンライン販売を開始する予定だ。

2021年11月18日にボルボでは日本初投入となる、電気自動車(EV)専用モデル、「C40 リチャージ」。22年1月に公式オンラインサイトを通してオンライン販売を開始する予定
2021年11月18日にボルボでは日本初投入となる、電気自動車(EV)専用モデル、「C40 リチャージ」。22年1月に公式オンラインサイトを通してオンライン販売を開始する予定
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内装は完全なレザーフリーに

 C40 リチャージは、400万円を切るグレードもあるSUV(多目的スポーツ車)「XC40」とプラットフォームを共有する、ボルボの中ではコンパクトサイズのクーペSUVだ。ボディーサイズは、全長4440×全幅1875×全高1595ミリメートルとXC40とほぼ同等。駆動用モーターを前後に備える4WD車で、最高出力300kW(408ps)、最大トルク660Nmを発揮する力強さも特徴の1つ。キャビン(乗員室)のフロア下に搭載される駆動リチウムイオンバッテリーの容量は78kWhで、航続距離は1回の充電で485km(WLTCモード)となっている。充電機能については、普通充電はAC200Vで最大出力11kWまで、急速充電はDC150kW(CHAdeMO)までそれぞれ対応可能だ。

最先端のピクセル技術を用いたLEDヘッドライトを採用している
最先端のピクセル技術を用いたLEDヘッドライトを採用している
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 グレード展開は1種類で、他の最新ボルボ車同様に先進の安全運転支援機能を標準装備。フロントデザインには、EVボルボの新しいアイコンになるという、最先端のピクセル技術を用いたLEDヘッドライトを採用している。その他、外装では「パノラマ・ガラスルーフ」、20インチアルミホイールを装備。内装ではヒートポンプ式のエアコン、前後席のシートヒーター、ETC車載器、「harman/kardonプレミアムサウンドオーディオシステム」、9インチの「タッチスクリーン式センターディスプレイ」などを装備する。完全なレザー(本革)フリーインテリアを採用したのはボルボとして初めてで、このC40 リチャージを皮切りに、今後全てのボルボのEVがレザーフリーとなるという。

9インチの「タッチスクリーン式センターディスプレイ」を採用。インテリアは完全なレザー(本革)フリーとなった
9インチの「タッチスクリーン式センターディスプレイ」を採用。インテリアは完全なレザー(本革)フリーとなった
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車載用のGoogleシステムを搭載

 装備の目玉となるのが、車載用のGoogleシステムだ。ボルボはこれまで「SENSAS」と呼ぶナビゲーションシステムを含む独自のインフォテインメントシステムを備えていた。しかし、これをAndroidベースのGoogleのシステムに変更。ボルボはGoogleと協力してこの車載向けシステムの開発を行っていたこともあり、いち早く搭載に動いたようだ。もちろん、車載用のGoogleシステムは他社にも供給される。

 Googleシステムの搭載を、ボルボは「車のスマートフォン化」と表現する。簡単にいえば、これまでAndroidスマホを使って車内で利用してきたサービスを、スマホなしで利用できるということ。具体的にはGoogleマップによるナビゲーション機能や音声認識機能であるGoogleアシスタント、アプリケーションストアのGoogle Playストアの利用が可能となる。

車載用のGoogleシステムを搭載。車両には通信機能が備わり、Googleの機能に加え、ボルボ独自のテレマティクスサービスや専用アプリの機能も提供
車載用のGoogleシステムを搭載。車両には通信機能が備わり、Googleの機能に加え、ボルボ独自のテレマティクスサービスや専用アプリの機能も提供
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 もちろん、車両には通信機能が備わり、Googleの機能に加え、ボルボ独自のVolvo Cars app(テレマティクス・サービス/ボルボ・カーズ・アプリ)や専用アプリの機能も提供される。Android Autoと異なる最大の強みは、車両情報を基にした位置情報の活用だ。これにより全地球測位システム(GPS)が捕捉できない地下やトンネルでも自車位置を見失うことがなくなる。音声操作もGoogleアシスタントとの対話で行えるため、エアコンなど一部の車載機能の操作や様々なアプリを、ハンズフリーで活用できる。またオンタイムの情報検索や音楽配信サービスの利用などの通信機能も強みとなる。

 Googleシステムと通信機能は、4年間は無償で利用可能だ。それ以降は一部の機能を除き、有償になるという。Googleシステムの搭載は、既に他のボルボのモデルで始まっており、21年秋に改良モデルが登場した「XC60」をはじめ、フラッグシップラインのセダン「S90」、ステーションワゴン「V90」、クロスオーバーワゴン「V90クロスカントリー」に標準搭載されている。

 なお現時点では、車載用のGoogleアシスタントは日本語に非対応で、22年の第1四半期に対応予定とのこと。よってC40 リチャージの納車時には、日本語での音声操作が活用できる見込みだ。

サブスクは3カ月前なら解約金なし

 C40 リチャージの価格は719万円(税込み、以下同)。マイルドハイブリッド仕様であれば409万円からとなるXC40と比べると非常に高価だ。これを踏まえ、まずはボルボのEVを体感してもらうべく、投入初期の100台を限定としたサブスクリプションサービスを実施。月額11万円には車両代、税金、登録諸費用、メンテナンスパック、自動車保険、ロードサービスなどが含まれる。しかも自動車保険は全年齢が対象となるので、購入者の中では若い人ほど大きな恩恵が受けられることになる。これは若い人の購入を促す面もあるが、家族でクルマを共有する場合、全員が安心して使えることのメリットを意識したものと考えられる。

 さらにボルボのサブスクリプションの特徴として、3年間の契約期間中、3カ月前に申し出れば解約金なしにいつでも契約を解除できるのも売りの1つだ。ただサブスクリプションサービスのC40 リチャージは、内外装の色が固定となり、契約も最長で3年間となる。3年以上の使用を想定している場合や内外装の色を選びたい場合は、22年1月開始予定のオンライン販売を待つ必要がある。オンラインストアでは、サブスクリプションサービスを除くファイナンスプログラムを用意する。詳細は後日発表する予定だ。

 ボルボは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、今後数年間のうちに新たなEVを投入し、25年までにグローバルで販売するボルボ車の50%を、30年には販売する全ての車種をEVとすることを目指している。さらにEVの販売は全てオンラインで行い、販売店の役目を試乗やメンテナンスなど顧客サービスの拠点へと切り替えていく。ただし実際の車を確認する必要がある中古車の販売については、EVについても店舗を中心に行っていくようだ。

 新世代モデル群の成功で、プレミアムブランドとして意識されるようになりつつあるボルボ。EVシフトへの加速に加え、オンライン販売の導入を進めていくことが、商品性やサービスへのこだわりの強い高級車を選ぶ顧客層に、どのようなメリットと魅力を提供できるのかにも注目だ。

月額11万円に車両代、税金、登録諸費用、メンテナンスパック、自動車保険、ロードサービスなどが含まれる、C40 リチャージの特別なサブスクリプションのキャンペーンは応募多数となり、十分な訴求になったようだ
月額11万円に車両代、税金、登録諸費用、メンテナンスパック、自動車保険、ロードサービスなどが含まれる、C40 リチャージの特別なサブスクリプションのキャンペーンは応募多数となり、十分な訴求になったようだ
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(写真提供/ボルボ・カー・ジャパン)