新型コロナウイルス禍、ソロキャンプブームも受け、キャンプ需要は増加の一途だ。一方で初心者のマナーなど課題も挙がっている。コールマン ジャパンでは自らのキャンプ場を設営するのではなく、既存のキャンプ場をもり立てるべく、啓発活動をしている。コールマン ジャパンの中里豊社長へのインタビュー後編では、多様化するアウトドア市場への取り組みについても聞いた。

前編はこちら

コールマン ジャパン 中里豊社長。1972年生まれ。米サンダーバード国際経営大学院を修了後、96年丸紅に入社。その後、日本ロレアルでロレアル パリやケラスターゼの事業部長を経て2015年11月、コールマン ジャパンの代表取締役社長に就任
コールマン ジャパン 中里豊社長。1972年生まれ。米サンダーバード国際経営大学院を修了後、96年丸紅に入社。その後、日本ロレアルでロレアル パリやケラスターゼの事業部長を経て2015年11月、コールマン ジャパンの代表取締役社長に就任

都会の真ん中でキャンプ体験イベントを開催

――インタビューの前編では、キャンプやアウトドアの楽しみ方が多様化しているといったお話がありました。商品の販売動向からもそれはうかがえますか。

中里豊社長(以下、中里) そうですね。ファミリーキャンプを楽しんでいた方が、子供の成長に伴い行かなくなってしまったというケースが以前は多く見られました。でも最近、私たちが「生涯キャンパー」と呼ぶように、楽しむ人の属性が広がってきています。

 コールマンはいろいろな商品を取りそろえていて、様々なアウトドアの遊びに対応しています。おかげさまで取扱店も全国で2000店舗以上ありますし、いうなればアクセシビリティーの高いブランドだと自負しています。

 テント1つにしても、数人で楽に寝られるような大型もあれば、ソロテントもある。様々な製品が多様な世代に売れるようになってきているのは確かですね。

――コールマンは以前から初心者にも目を向けていたと思います。ユーザーの多様化に対応するには、初心者のタッチポイントを増やすといった工夫も必要だと思いますが、どのような施策をされてきたのでしょうか。

中里 2003年から弊社社員が日本各地へ出向き、初心者向けのキャンプの体験会などを開催してきましたが、08年からは本当に人が集まるようになりました。もっとも、何百人も集めてできるものではないので、1つのイベントで30組程度と人数は絞られますが、継続性を重視して続けています。

 実際にキャンプに出かけて、できること、できないことを体験していただく……この体験がやはり大事だと思っています。

 13年から2年間は、東京・六本木の東京ミッドタウンで「アウトドアリゾートをつくろう。in Tokyo Midtown」というイベントを開催。15年からは場所を神宮外苑に移し、名称も「アウトドアリゾートパーク」と変えて、キャンプの楽しみ方を伝えるイベントを開催してきました。これらのイベントでも重視しているのは「体験」であり、それが都会のど真ん中を会場に選んだ理由でもあります。その後19年からは会場をフィールドに移し、どなたでもキャンプの楽しさを体験できるThe Coleman Campを開催しています。

――SNSでの情報発信もされていますね。

中里 WebやSNSはやはり無視できないですね。私どものWebサイトで一番アクセスが多いのはハウツーについて書かれたページなんです。新製品情報などは意外と見てもらえていません。(笑)

 ハウツーはコールマン製品を使ったものだけに限らず、キャンプ全般に関するものにしています。見てくださっている方の中には、コールマン製品をまったく持ってない方も結構いるのではないかと思いますが、キャンプの楽しさを知る人が1人でも増えるなら喜ばしいことだと思っています。

 それに、弊社が発信する情報以上に、ユーザー同士の情報交流は、大きなインパクトを市場に与えています。

 キャンプには多種多様な楽しさがあり、その時々の自分に合った楽しみ方がきっと見つかります。それが私たちが掲げる「生涯キャンパー」の意味ですし、そうした楽しみ方ができる人がもっと増えてくれると、キャンプ業界はさらに面白くなっていくと思います。

2013年に六本木で開催された「アウトドアリゾートをつくろう。in Tokyo Midtown」の会場風景。このときは1万6400人もの来場者が訪れた
2013年に六本木で開催された「アウトドアリゾートをつくろう。in Tokyo Midtown」の会場風景。このときは1万6400人もの来場者が訪れた

この記事は会員限定(無料)です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
2
この記事をいいね!する