特定非営利活動法人のキッズデザイン協議会(東京・港)が、「第15回キッズデザイン賞」を発表した。最優秀賞(内閣総理大臣賞)として、学校法人の新渡戸文化学園(東京・中野)とVIVITA JAPAN(福岡市)、tokotodesignが共同で実施したプロジェクト「VIVISTOP NITOBE FURNITURE DESIGN PROJECT」(以下、VIVISTOP NITOBE)を選出した。

 キッズデザイン賞は2007年から行われ、全国の企業や団体から応募された作品の中から「子どもや子どもの産み育てに配慮」している製品やサービスを表彰する。大人に向けて一般的に販売されている商品も含め、住宅設備、家電などはもちろん、組織的な研究や地域の住民と行った活動、施設内の空間構成など、あらゆるものを対象にしている点が特徴だ。2021年9月29日、「第15回キッズデザイン賞」を発表した。

デザイナーと子供が一緒に製作

 VIVISTOP NITOBEは、新渡戸文化学園が運営する新渡戸文化小学校の5年生がデザイナーや高知県佐川町の林業関係者の手を借りながら、木製の椅子のアイデアを考えて設計し、製作するプロジェクト。授業を受ける教室内の環境を、子供たちが自らつくることを目指した。それぞれ5人で1チームの12チームに分かれて椅子作りにチャレンジし、約4カ月をかけて完成させた。椅子を作る過程で小学生が林業を学び、佐川町の人にインタビューを実施するなど、椅子を中心とした横断的な取り組みが評価の対象となった。

 同学園は、「STEAM教育」と呼ぶ教育手法を今回のプロジェクトで実現しようとした。科学(Science)や技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Mathematics)を統合的に学習する手法で、最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けた企業教育の手法としても注目されている。それぞれの頭文字からSTEAMと名付けられている。

 プロジェクトを担当した新渡戸文化小学校教諭の山内佑輔氏は、「従来の大人から子供に“教える、教わる”の関係とは異なっていた。教諭やデザイナーも参加したが、役割はファシリテーションに回った。子供5人に大人1人のチームで作ったようなもので、そこに大人と子供の関係はなかった」と話す。

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