コンサルティング会社クニエの新規事業戦略チームは、独自調査「サブスクリプション(サブスク)事業の実態調査」を基に、サブスク事業の成功・失敗要因を分析した書籍『なぜ9%のサブスクしか成功しないのか』(日経BP刊)をまとめた。前回に続き、この本で指摘された「失敗するサブスクの特徴」のうち「組織」に関するものを紹介する。(日経クロステック2021年11月12日掲載分から転載)
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コンサルティング会社クニエの新規事業戦略チームは、サブスク事業経験者500人に対して「サブスク事業の実態調査」を実施した※。調査結果の「最重要KPI達成率」が100%以上を成功した事業(以下、「成功層」と呼ぶ)、100%未満を失敗した事業(以下、「失敗層」と呼ぶ)と定義し、各設問の回答について、成功層と失敗層で有意な差が出ているものを「失敗するサブスクの特徴」としている。本項では、前回に続いて「失敗するサブスクの特徴」のうち、「組織」に関するものを紹介する。
失敗するサブスク特徴③ 関連部門との調整に追われる
「サブスク事業を推進する際の状況」に関連する調査結果が図表3である。失敗層は成功層より、総じてポジティブ(図のAに近い)の割合が低い。特に「上司などからの指摘で検討が加速された」「関連部門との調整は円滑に進められた」が低く、周囲の支援や関連部門との調整がうまくいかなかった割合が高い。つまり、失敗層では「上司の指摘」は有効ではなく、「関連部門との調整に追われる」といえる。
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