台湾デザイン研究院(台北市)は2021年10月2日~17日で 、「未来の花見:台湾ハウス」と呼ぶイベントをGOOD DESIGN Marunouchi(東京・千代田)で開催した。東京に続き21年10月23日~ 11月7日で京都市の「The Terminal KYOTO(ザ ターミナル キョウト)」でも開催している。台湾デザインの最先端を感じることができる。

ANGUS CHIANGの作品「A Hidding Window Gril」。カラフルなテキスタイルやビーズ、アクリルによって作られている
ANGUS CHIANGの作品「A Hidding Window Gril」。カラフルなテキスタイルやビーズ、アクリルによって作られている
[画像のクリックで拡大表示]

 主宰する台湾デザイン研究院は、台湾のクリエイティブ産業の発展を促進する政府関連機関。デザイン人材の能力向上、工業デザインの推進、デザイン政策の確立、公共サービスやソーシャルデザインの発展、国際的なデザイン交流の促進が主な役割で、デザインを通じて台湾の国際競争力を高めようとしている。その一環で今回、日本でもイベントを開催した。

 今回は初の試みで、日本と台湾との友情を「花」というモチーフで表現。日本で“未来の花見”という名のうたげを催すことで、コロナ禍の中で再会を待ち望む気持ちや、台湾の自由な文化と多様なデザインを届けたいという思いを込めているという。

無氏製作(PiliWu-Design)によるガラス作品「珊瑚ストロー」。ストローを赤い珊瑚に見立て、環境問題を考えるようにした
無氏製作(PiliWu-Design)によるガラス作品「珊瑚ストロー」。ストローを赤い珊瑚に見立て、環境問題を考えるようにした
[画像のクリックで拡大表示]
究方社(JOEFANGSTUDIO)による作品。自然に流れ落ちる状態の液体ガラスを一瞬で固めている
究方社(JOEFANGSTUDIO)による作品。自然に流れ落ちる状態の液体ガラスを一瞬で固めている
[画像のクリックで拡大表示]

 東京会場の空間デザインは、台湾の未来の庭を創造したという。島の西部や中央山脈、東部の花東縦谷といった多様な気候帯や植物や文化などに呼応するように、クリエイターたちの作品をレイアウト。サステナビリティー(持続可能)を意識しながら再生可能な素材を使用して台湾の植物を再解釈。「リサイクル可能な素材」「最新の生産技術」「伝統工芸」を切り口に、多様性と協調性を表現した作品を展示した。台湾の「Plan b」と「草字頭」がキュレーションを手がけた。

 京都会場では、日本の庭園の特徴として京都の町家を選び、借景という手法でテーマをより身近に感じるよう、日本と台湾との文化の融合・共演を表現しているという。

Melted potatoによる作品。金属に銀などを付着させた
Melted potatoによる作品。金属に特殊な銀などを付着させた
[画像のクリックで拡大表示]
顏宏安によるガラス作品「between the shades」
顏宏安によるガラス作品「between the shades」
[画像のクリックで拡大表示]
張家翎によるガラス作品「Wetlands」
張家翎よるガラス作品「Wetlands」
[画像のクリックで拡大表示]
府城光彩刺繍荘による作品
府城光彩刺繍荘による作品
[画像のクリックで拡大表示]
劉 文瑄による「盆栽との対話」をテーマに制作された作品
劉 文瑄による「盆栽との対話」をテーマに制作された作品
[画像のクリックで拡大表示]
京都会場の「The Terminal KYOTO」は、昭和初期に建てられた京町家を復元、リノベーションしているオープンスペース(写真提供/台湾デザイン研究院)
京都会場の「The Terminal KYOTO」は、昭和初期に建てられた京町家を復元、リノベーションしているオープンスペース(写真提供/台湾デザイン研究院)
[画像のクリックで拡大表示]

(写真提供/Plan b、photo:James Hsu)