カップヌードルミュージアムパーク(横浜市)の敷地内に、カフェ併設の都市型バーベキュー施設「DREAM DOOR YOKOHAMA HAMMERHEAD」(ドリームドアヨコハマハンマーヘッド)が2021年10月9日にオープンした。宿泊施設はないが、首都圏に住むキャンプ未経験者でも気軽にキャンプ風体験ができるとあってほぼ満杯状態だ。
密を避けてファミリーで楽しめると、キャンプがコロナ禍のレジャーとして人気を集めている。そんな中、都市に住むキャンプ未経験者でも気軽にキャンプ風の体験を楽しめる“都市型バーベキュー施設”が注目されている。都立葛西臨海公園内にある「SORAMIDO BBQ」、「アクアシティお台場」内にある「シズラーBBQテラス」などが人気を集める中、横浜に新たな都市型キャンプ施設が誕生した。
駅徒歩10分で海を間近にバーベキュー
それが、2021年10月9日にカップヌードルミュージアムパーク(横浜市)の敷地内にオープンした、カフェ併設の都市型バーベキュー施設「DREAM DOOR YOKOHAMA HAMMERHEAD」(ドリームドアヨコハマハンマーヘッド、以下「ドリームドア」)だ。運営は17年、豊洲にオープンした都市型エンターテインメントパーク「WILD MAGIC -The Rainbow Farm-」、18年に横浜市の横浜元町・新山下エリアにオープンした都市型リゾート空間「THE BEACH」などを手がけるSOULPLANET(東京・港)。グランドオープンに先立ち21年8月4日からプレオープンし、公式サイトやSNSで情報を発信して予約を受け付けているが、ほぼ満杯状態が続いているという。
SOULPLANETの取締役 鈴木亮氏は、「コロナ禍にあって密が避けられるキャンプ施設の需要は右肩上がりに増えている。キャンプに慣れていない人、都心に住んでいる人にも気軽に楽しんでもらえ、自然を満喫できる都市型バーベキュー施設が求められていると感じている」と話す。
ドリームドアがあるのは「カップヌードルミュージアム」の裏手。遊歩道を挟んで目の前はすぐ海というロケーションだ。施設内は3つのエリアから構成されており、手ぶらでバーベキューが楽しめるプランも用意されている。
まず円形プロムナードデッキのある「ツリーランドサークル」入り口で受け付けを済ませる。バーベキュー席の利用は空きがあれば当日予約も可能だが、当日だと選べるバーベキューメニューが限られるので、前もって予約したほうがいい。
受け付け終了後、カフェ内にある「BUTCHERS MEAT CLUB」で「バーベキューセット」(1人分5500円~、税込み、以下同)、「カトラリーセット」を受け取り、予約したバーベキューエリアに向かう。バーベキューのセット内容はプランによって異なるが、手ぶらで行ってもバーベキューが楽しめるようになっている。プランには、ハラール認証を受けた肉が入った「ハラールBBQメニュー」(6600円)も用意されている。
入場料は無料で、プラン利用者は食材・飲料ともに持ち込み自由。「バーベキューセット代」のみで飲み物を持参した場合、1人当たり5500円から利用可能だ。同社では平均価格帯は、ドリンク代込みで1人7000円ほどと見ている。
子供向けプログラムで家族層に訴求
現在バーベキューができるエリアは、円形プロムナードデッキ内の「ツリーランドサークル」、森林を生かしたグランピング体験エリア「ファイヤーフォレスト」の2カ所。その中央にある多目的エリア「ワンダーフィールド」は夏季限定の使用なので、現在は広い芝生の状態だ。
同施設の看板となるのが、円形の2階建ての建物にテントが張られている「ツリーランドサークル」。1階席は手が届きそうなほど間近に海があり、2階のデッキからは横浜港や海、ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルなどのビル群が一望できる。
「ツリーランドサークル」エリア中央には小学生以下の子供に向けたキャンプ体験のレクチャーを行うスペースや、たき火ができる「ファイヤーピット」、2万5000円のルームチャージ料金で利用できるVIPルーム「パークレンジャーズロッジ」が点在している。
子供を対象に不定期で行われるレンジャー講座「BLACK CAT CAMP」では、レンジャーたちのレクチャーの下、火のおこし方やまき割り、テント設営、ロープの結び方などの体験もできる。
宿泊はホテルへつなぎ共に盛り上げる
都心とは思えない海沿いの森の中で、本格的なアウトドア気分が味わえるのが「ファイヤーフォレスト」エリア。同施設は宿泊不可だが、「ファイヤーフォレスト」エリア前の遊歩道はヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルに続く「女神橋」と直結。ホテルに宿泊して食事は同施設でバーベキューを楽しむ、という都市型キャンプ施設ならではの使い方もできる。
同施設には、2カ所のカフェ「GOODMAN STAND and SON/DAUGHTER」が併設されていて、バーベキュー用テントの利用の有無にかかわらず、同施設を利用できる。飲み放題プラン(4000円~※ソフトドリンクの飲み放題1650円~)もあるので、飲み物を持参する必要もない。
同施設を建設するうえで苦労したのは、「港湾緑地における設置等許可制度」規定により、「元の形状を崩さない」という縛りがあったことだと鈴木氏は振り返る。段差のある緑地という形状を守るために、ドーナツ状の2階建築にし、横浜という街になじむ素材をセレクトしたという。
鈴木氏は「これまでいくつかの自然体験型施設を造ってきたが、都心でこれだけ海に近い施設はなかなかない。ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルにつながる橋もあって、行き来しやすいのもメリット。今後は横浜のホテルとのコラボプランやさまざまなイベントを企画していきたい」と抱負を語った。
(写真撮影/桑原恵美子)