ブランディング事業を手掛けるインターブランドは2021年10月21日、グローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2021」のトップ100を発表した。注目はブランド価値を前年比で184%増加させて、14位へと大きく順位を上げた「Tesla」だ。同ブランドを始め、21年に大きく躍進したブランドはテクノロジー企業が占める。総合ランキングも上位の顔ぶれは20年と変わらず「Apple」や「Amazon」など、デジタル関連銘柄がブランド価値を高めている。

米テスラがグローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2021」で、ブランド価値の成長率トップに(写真/Shutterstock)
米テスラがグローバルのブランド価値評価ランキング「Best Global Brands 2021」で、ブランド価値の成長率トップに(写真/Shutterstock)

 このランキングはグローバルに事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランキング化したもの。算出のポイントは3つ。1つ目は財務分析で、将来的な収益性の高さを重視する。2つ目がブランドの収益貢献度だ。ブランドが将来の収益に与える影響力で評価する。3つ目は「ブランド強度」と呼ぶ指標。ブランドによる収益の将来の確実性を評価する。

Best Global Brands 2021の上位20ブランド。大手デジタルプラットフォーマーによる寡占の傾向が一層強まっている
Best Global Brands 2021の上位20ブランド。大手デジタルプラットフォーマーによる寡占の傾向が一層強まっている

 ランキングのトップ20ブランドは上表の結果となった。上位10ブランドは昨年から変化はなく、1位は「Apple」でブランド価値は前年比26%増の4082億5100万ドル。2位は同24%増の2492億4900万ドルの「Amazon」が続く。これに3位の「Microsoft(2101億9100万ドル)」を加えた3社の合計で、総合ランキングのトップ100 ブランドの合計⾦額価値の33%を占めるなど、トップブランドによる寡占の傾向は一層強まっている。

 21年のランキングで特筆すべきは「Tesla」だろう。下表は、成長率が高かった5ブランドをランキング化したもの。成長率トップのTeslaはブランド価値を前年から184%増加させ、362億7000万ドルとなった。同ブランドは20年の調査で初めて40位にランクインしたが、それからわずか1年で14位まで大幅に順位を上げた。「調査は21年に22回目を迎えたが、過去最高の成長率だ」とインターブランドジャパン(東京・渋谷)の並木将仁社長は驚きの声を上げる。

ブランド価値の成長率が高かった上位5ブランド。Teslaは同ランキング開始以来、過去最高の成長率となった
ブランド価値の成長率が高かった上位5ブランド。Teslaは同ランキング開始以来、過去最高の成長率となった

 新型コロナウイルス感染症拡大による自粛や先行きの不透明感により、世界中の消費者の財布の紐が固くなる中でも、Teslaは20年の電気自動車(EV)の販売台数を前年比から36%増加させ、20年通期は最終損益が7億2100万ドルで創業以来初の黒字となった。時価総額は自動車業界の世界トップになるなど、大きな期待が寄せられている。「明確なミッションに基づき事業に一貫性がある。それがブランドの強さにつながっている」(並木氏)のに加え、財務面での評価が高まったことで大きく順位を上げた。

 Teslaに続く高成長ブランドは「Salesforce.com」で、ブランド価値は37%増の147億7000万ドルとなった。米セールスフォース・ドットコムは21年7月に大手ビジネスチャットツールの米スラック・テクノロジーズを買収するなど、M&A(合併・買収)に積極的な企業だ。「M&A戦略がブランド価値の拡張に機能している」(並木氏)点がブランド価値の向上に貢献した。

 3位にはブランド価値を前年比で36%増加させた「Adobe」「PayPal」が同率で並ぶ。Adobeはサブスクリプション型へと事業モデルを転換させて成功。顧客のサービス利用動向に基づいてサービスを改善し続けることで、体験価値を高め続けていることでブランド価値を高め続けている。

 成長率ランキングの5位は、ブランド価値を前年から27%増加させたMicrosoftだ。同ブランドは総合ランキングでも20年に引き続き3位を維持している。「障害を持つ人やシニアなど、すべての人がテクノロジーを使えるように支援する『アクセシビリティ』など、ユニークなCSR活動がブランド価値につながっている」と並木氏は説明する。コロナ禍ではオンライン会議ツール「Teams」の利用者が4.5倍の1億4500万超になるなど、ブランドを体験する機会が広がったことも価値向上につながった。

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