毎年4月にイタリアのミラノで開催してきた世界最大級の家具インテリア見本市「ミラノサローネ国際家具見本市」。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により中止したが、21年は会期を9月へとずらし、さらに名称を「supersalone(スーパーサローネ)」に変更。今回限りの“特別展”として行い、新たな時代への挑戦といえるイベントとして記憶に残る成果を収めた。このスーパーサローネの模様を2回に分けて報告し、3回目は同時期に開催した「ミラノデザインウイーク」を取り上げる。
従来ならば、20以上のパビリオンに国際的なブランドの巨大ブースが立ち並んでいたロー・フィエラミラノ会場の規模は、5分の1ほどまで縮小。4つのパビリオンに限定したスペースに出展したのは425ブランドで、その16%がイタリア国外からの参加だった。9月5~10日までの会期中の来場者総数は6万人を上回り、そのうち30%が113カ国・地域からのバイヤーや貿易業者で占められた。
1800以上の出展社数と、6日間で181カ国・地域から38万6000人以上の来場者を記録した19年のミラノサローネに比べると、数の上ではこぢんまりとした印象が残る。しかし、「スーパーサローネ」では新たな国際見本市の在り方を模索し、積極的な挑戦がいくつも見られた。
混雑しない会場作りを実現
国際的な見本市である性質上、まず注目されたのは、出展者と来場者に対する組織的な感染拡大の防止策だった。
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