ECサイト構築プラットフォームを提供するShopify Japan(東京・渋谷)は、2021年9月14日に越境ECを支援する新サービス「Shopify Markets(ショッピファイ・マーケット)」の提供を始めた。従来のようにアプリを使った複雑な設定をせずとも海外市場への参入ができるようになる。
Shopify Marketsは、越境ECに必要なツールを一元管理できるサービスだ。これまでShopifyを活用して海外に販売する場合、国際ドメイン、複数の通貨と言語、現地の支払い方法、国際価格など、サービスや地域ごとに機能を拡張できる「Shopify Apps」を使う必要があり、越境ECを始める障壁となっていた。
Shopify Marketsの導入により、事業者はShopifyストアの管理画面上で、国内はもちろん複数の国や地域にも販売することができる。市場の特定、販売の準備、立ち上げ、最適化も全てこのツールでまかなうことができ、これまで以上に海外市場への参入が容易になる。
Shopifyの事業者であればどのサブスクリプションプランであっても、追加費用などなく利用できる。事業者は管理画面上から、展開したい国や地域を選び、通貨や価格設定などをそれぞれの市場に合わせてカスタマイズする。同社によると、ECサイトの言語や通貨を購入者に合わせてローカライズすると、言語では13%、通貨では40%コンバージョンが増加するというデータがある。
また、Shopifyは世界で170万以上の事業者が利用している。それら事業者のデータに基づき、Shopify Marketsでは、いつ、どこで、どのように販売するのが効果的かを判断するのに役立つインサイトやレコメンデーションも提供する。
拡大する越境EC市場
日本貿易振興機構(JETRO)が21年1月に発表した調査によると、日本企業における越境ECの活用率は16年度の30.9%に対し、20年度は45.5%と過去4年間で約15ポイント上昇している。特に中小企業の利用率が高い。
日本でShopifyを利用している事業者においても、21年7月時点で、約15%が海外への販売を行っていた。また、日本でShopifyを利用している事業者のオンラインストアへのアクセスのうち、11%が海外からであった。Shopify Japanのカントリー・マネージャーの太原真氏は「21年にオンラインで商品を購入すると推定される24億6000万人にリーチする機会を提供するソリューション。日本企業においてもこの潜在的なお客様を逃さないようサポートを強化したい」と狙いを語った。
(写真提供/Shopify)