2021年9月20日、海外で人気が拡大しているハードセルツァーのブランドが日本に上陸する。コカ・コーラ社が世界20カ国以上で販売している「トポチコ ハードセルツァー」だ。国内ではオリオンビール(沖縄県豊見城市)、サッポロビールに続くハードセルツァー発売となる。

「トポチコ」は125年の歴史を持つメキシコの炭酸水ブランド。ハードセルツァーは2013年に米国で誕生したアルコール飲料のカテゴリーだ
「トポチコ」は125年の歴史を持つメキシコの炭酸水ブランド。ハードセルツァーは2013年に米国で誕生したアルコール飲料のカテゴリーだ

 ハードセルツァーとは「アルコール入り」を意味する「ハード」とセルツァー(炭酸水)を組み合わせた名称で、アルコール入り炭酸水のこと。スッキリとした後味に加えてグルテンフリー、低カロリー、低糖質などを特徴とする低アルコール飲料だ。

 「トポチコ ハードセルツァー(以下トポチコ)」のアルコール度数は5%。コカ・コーラ・カンパニーのグローバルブランドとしては初のアルコール飲料で、2020年9月に南米(ブラジル、メキシコ)で発売されて以降、米国、英国、オーストラリア、フランス、スペインなど世界20カ国以上に展開されている。

 21年9月20日に関西エリア(大阪、京都、兵庫、奈良)限定で発売となる3種類のフレーバーのうち「アサイーグレープ」は日本オリジナル。すでに海外で販売されている「タンジーレモンライム」「パイナップルツイスト」についても、日本国内向けに味を微調整しているという。また、発売エリアを関西に限定したのは「人口に占める若者の比率が全国平均に近い」という理由から。全国展開については関西エリアでの反応を見ながら検討するとのことだ。

 ハードセルツァー、フレーバーアルコール飲料、ロングドリンク・カクテル、微・ノンアルコール、いわゆる低アルコール飲料(ビールを除く)のうち、24年にはハードセルツァーのシェアが44%を占めるまでになるとの予測もある。日本コカ・コーラによれば、米国、英国、オーストラリアなどにおける上記4カテゴリーの新製品は、ハードセルツァーが主流になっているという。

19年は17%だったハードセルツァーのシェアが、24年には44%にまで成長する見通し
19年は17%だったハードセルツァーのシェアが、24年には44%にまで成長する見通し

 日本国内で見ると、20年の容器入りアルコール飲料(ビールを除く)の購入者数は18年との比較で2.8%増となっているが、20代に関しては5.5%も増えている。また20代の場合、飲用シーンは「ゲーム、SNS、メール、誰かと一緒」が26%と高く、他の世代(平均16%)とは一線を画す。そんな、酒は飲むが酔うことが目的ではない20代をメインターゲットに据えたのが、缶入り、低アルコールのトポチコというわけだ。

 日本コカ・コーラの低アルコール飲料には缶チューハイの「檸檬堂」、ハードレモネードの「ノメルズ」もあるが、日本コカ・コーラ マーケティング本部 アルコールグループ シニアブランドマネジャーのパトリック・サブストローム氏は「それぞれターゲットとしている消費者、提供する価値が違うのでターゲットの重複は考えていない」と言い、「米国ではビールからの流入が多い」と付け加えた。

20年の集計では、容器入りアルコール飲料を購入する20代は約700万人、18年との比較では5.5%も伸びている
20年の集計では、容器入りアルコール飲料を購入する20代は約700万人、18年との比較では5.5%も伸びている

 日本コカ・コーラでは「決めつけないのがルール」をトポチコのキーメッセージとして掲げ、これまでとは違う新しいアルコール飲料としてZ世代にアプローチする考えだ。

 21年7月からはアパレルショップやレコード店といった若者の集まるカルチャースポットでのサンプリングを実施したほか、8月にはInterFM897でオリジナルのラジオ番組「Topo Chico Hard Seltzer presents 『Syndicate Radio』」も立ち上げた。また東京・渋谷エリアでは8月24~30日にかけて、6人の若手アーティストの作品を展示する「トポチコ渋谷アートギャラリー」などを開催している。さらに商品発売後は、テレビCMやWeb施策などでトポチコを盛り上げていくという。

 ハードセルツァーは多くの酒類・飲料メーカーが注目している分野だ。オリオンビールは21年3月にアルコール度数2%の「DOSEE(ドゥーシー)」を国内大手ビールメーカーに先駆けて市場に投入。サッポロビールも8月にアルコール度数3%の「サッポロ WATER SOUR」を発売した。いずれも20~30代をターゲットにした炭酸水ベースの低アルコール飲料となっている。

(写真提供/日本コカ・コーラ)