米国では最近「エッグチェア」が大流行している。流行の背景にあるのは、コロナ禍で長引くステイホームによる緊張をほぐす家具であることだろう。最近のエッグチェアは廉価版が多い。数百ドルで手に入るものもあるようだ。
エッグチェアはもともと、1950年代末にデンマークの有名なデザイナー、アルネ・ヤコブセンがホテルのために生み出したラウンジチェアとして知られる。卵のような楕円形のアウトラインを持ち、椅子の背は高くて、座るとまるで包み込まれるような安心感がある。
同様の形状の椅子は、時期を前後してナナ・ディッツェル、ヘンリク・トア=ラーセンらほかの北欧デザイナーも作っており、家具デザインの系譜としても重要な位置付けになっている。
こうしたエッグチェアは高価な部類に入るが、最近のエッグチェアは廉価版が多い。ラタン(トウ)製や木製、ワイヤ製で屋内、屋外のいずれの環境にも対応している。歴史的デザインの椅子なら数千ドルの価格だが、数百ドルで手に入るようだ。置くだけでインテリアがシックに見えるため、とても重宝されている。
流行の背景にあるのは、長引くステイホームの緊張をほぐす家具であることだろう。座ると心地よく、製品によってはハンモックやゆりかごのように動くものもある。個室のようであり、またリゾート地にいるようでもあり、安らぎを与える家具である。セレブがSNSで発信したことも人気に貢献しており、多くの消費者が欲しい製品になっている。
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