東京・渋谷に本社を置くOniGO(オニゴー)は2021年8月25日、同名の宅配専用スーパー「OniGO」を東京・目黒の学芸大学駅近くにオープンした。専用アプリから注文すると、10分以内に商品が届くという。欧米や中国で急成長する新業態“ダークストア”がついに日本でもスタートした。

「OniGO」第1号店は東急東横線の学芸大学駅から徒歩9分のところにある
「OniGO」第1号店は東急東横線の学芸大学駅から徒歩9分のところにある

 コロナ禍で巣ごもり需要が伸びるなか、「買い物に行く手間と時間が惜しい」「重い(大きい)荷物を持ちたくない」といったニーズもあって、ネットスーパーが注目されている。現在はイオン、楽天西友、アイワイネット(イトーヨーカドー)など、いくつものネットスーパーがあるが、OniGOの特徴は注文から10分で商品が届くというスピード感だ。オンライン注文専用の即配スーパーは欧米や中国で急成長しており、「ダークストア(店舗の所在が分からない小売店)」と呼ばれている。

 従来のネットスーパーの場合、受取時間の指定はできるものの、時間帯に2~3時間の幅がある。また、注文から商品到着までにかかる時間も、短いところで3時間程度となっている。「その間、自宅で待機しなければいけないことを不満に思っている消費者が少なくない」とOniGOの梅下直也社長は話す。必要な商品がすぐ手に入る「注文から10分以内」は強力な武器といえるだろう。

 営業時間が午前10時から午後10時までと長いこともOniGOの武器になっている。ほとんどのネットスーパーが、夕方の注文については翌日以降の配達としているからだ。夕食の献立を思いついたときには“手遅れ”といったことも起こり得る。その点OniGOなら、仕事を終えて帰宅してから注文しても十分に間に合う。

OniGoの店舗内。客の姿はなく、店舗というよりはむしろ倉庫
OniGoの店舗内。客の姿はなく、店舗というよりはむしろ倉庫

 OniGOが第1のターゲットとしているのは、小さい子供のいる、比較的所得の高い層だ。この層から見えてくるのは「子育てに追われて買い物に行く時間が取れない」「買い物に出る労力と比べれば配達料を支払ったほうが割安」という感覚だ。OniGOでは1回当たりの購入価格として3000~4000円を想定している。OniGOの配達料は税込み300円となっており、その点は他のネットスーパーも大差ない。一定額以上を購入すれば配達料が無料になるところもあるが、OniGOは配達料を気にする層をターゲットにしていないとみることもできそうだ。

 OniGOで扱っているのは野菜などの生鮮食品から洗剤などの日用品まで約1000品目。店舗周辺には子育て中の世帯や飲食店が多いため、紙おむつや業務用の調味料なども置いている。酒類、薬品類については販売業免許を取得次第、取り扱いを始めるとのこと。

 商品を届けるのは宅配トラックなどではなく、専用の電動アシスト自転車だ。時間内に届けるために店舗の半径1.5キロメートル以内、つまり自転車で7分以内に着ける範囲に商圏を絞り込んでいる。ちなみに残りの3分は商品の梱包(こんぽう)にかかる時間だ。

配達可能エリア外から注文しようとするとメールアドレスの登録を促される
配達可能エリア外から注文しようとするとメールアドレスの登録を促される

 店舗には「ピッカー」と呼ばれる梱包要員(最大2人)と「ライダー」と呼ばれる配達要員(最大5人)が常駐し、客からの注文を待つ。スタッフは時給制(1500円)のため、配達の回数や量による収入の差は出ないという。

 食料品の購入はネット経由が約4兆円を占めるまでの市場規模になっているが、ネット経由での購入のうち「2025年までにはOniGOのようなQuick Commerce(クイックコマース、即配)が50%程度まで成長する」と梅下社長はみる。

 OniGOでは21年中に25店舗、その後の1年間で100店舗まで出店を拡大する予定。当面は1都3県エリアで店舗展開していく。

ネットを経由した食料品購入の50%を即配が占めるようになるとOniGoでは予測している
ネットを経由した食料品購入の50%を即配が占めるようになるとOniGoでは予測している

(写真提供/OniGO)

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