ANAグループで国内32の空港に店舗を展開するANA FESTA(エーエヌエーフェスタ、東京・大田)と、無人決済システムの開発を進めるTOUCH TO GO(TTG、東京・港)は2021年8月27日、羽田空港第2ターミナル地下1階に無人決済システムを活用した実店舗を開業した。新規開業店に込めるTTGの思惑とANAグループの狙いを解き明かした。
新規開業店「ANA FESTA GO(エーエヌエーフェスタゴー)羽田B1フロア店」には従業員がいない。買い物客は入り口から店に入って欲しい商品を手に取り、出口手前の決済エリアで決済して、そのまま出口から出るウォークスルー型の店舗だ。
店舗の天井に取り付けられた18台のセンサーカメラが、買い物客が手に取った商品をリアルタイムで認識しており、顧客が決済エリアに立つと、目の前のタッチパネルに商品名と購入金額が表示される。後は顧客が商品名と金額を確認し、現金、交通系電子マネー、クレジットカードのいずれかを使って支払うだけだ。
店舗面積は約40平方メートル。陳列されているアイテム数は約100に絞り込み、東京の定番とされるおみやげ菓子を中心に、弁当や飲料、雑貨などをコーナーごとに展開している。店内混雑を避けるため、入場できる人数を10人以内に制限する考えだ。
TTGとして初めて外部のポイントシステムと連係
TTGから見ると、今回の新店舗は、2017年開業の大宮駅と18年開業の赤羽駅の実験店舗、20年開業の高輪ゲートウェイ駅店、ファミリーマートと組んで21年春に東京駅の隣接ビルに開業した「ファミマ!!サピアタワー/S店」に次ぐ、5番目の無人決済システム店だ。
TTG社長の阿久津智紀氏は、「これまでの店舗にはなかったチャレンジが2つあった」と語る。
1つは、カメラ画像を使ってリアルタイムに商品を認識するシステムの改善。おみやげ品中心の品ぞろえのため、「これまでほとんど扱わなかった大きな箱詰め商品が多く、それらをスムーズに認識できるようにシステムを改善した」(阿久津氏)のだ。
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