「第32回国際文具・紙製品展(ISOT)夏」(主催はRX Japan)が2021年6月30日~7月2日に東京ビッグサイト青海展示棟(東京・江東)で開催され、「第30回日本文具大賞2021 」グランプリが発表された。「機能部門グランプリ」は、ほぼ日による「ほぼ日のアースボール」が受賞し、「デザイン部門グランプリ」は山口証券印刷(東京・千代田)の「いろ色きもちきっぷ」が獲得した。

「ほぼ日のアースボール」(写真提供/ほぼ日)
「ほぼ日のアースボール」(写真提供/ほぼ日)

 ほぼ日のアースボールは、国境も国名もない“宇宙から見た地球そのまま”の地球儀として開発。17年から販売していたが、20年11月にリニューアルした。AR(拡張現実)を採用した専用アプリを入れたタブレットやスマートフォンをかざすと、画面上にさまざまなコンテンツを表示するという機能は同じだが、今回は地球上でリアルタイムに変化する「雲・雨・気温」が浮かび上がるコンテンツを追加した。気象衛星から届くデータを1時間ごとに自動更新している。リニューアル版の累計販売個数は20年11月から21年6月末で6万個。今後はSDGs(持続可能な開発目標)向けコンテンツの開発も検討しているという。

 いろ色きもちきっぷは、国内に数台しかないといわれる鉄道の硬券乗車券専用の印刷機で作った切符型のメッセージカード。表面に「ありがとう」や「おめでとう」の文字が印刷されている商品のほか、文字を自由に記入できる商品の合計3種類がある。山口証券印刷は1921年に創業して以来、約100年にわたって切符の印刷技術を継承。切符の良さを伝えたいと思い、2017年に文具ブランドとして「Kumpel」(クンペル)を立ち上げた。近代印刷発祥の地のドイツ語で「相棒」を意味し、「鉄道に、人々に、ともに寄り添い続ける存在でありたい」という気持ちを込めた。これまでもノートや付箋、マグネットなどを開発してきたが、今回は原点に戻り、切符そのものの良さを生かした商品として、いろ色きもちきっぷを開発。21年5月から販売している。

 開発に当たり、デザインは特に重視した。クンペルがモチーフにしている切符はシンプルなためか、商品が単調になりがちで、売り場で映えないという課題があったからだ。そこで切符と同じ紙や印刷方法にしながらも、パッケージにかわいさ、鮮やかさを取り入れた。当初は販路を絞り、試作機で100個程度を作ってテストマーケティングを行った。反応が非常に良く、さらに販路を広げている。

「いろ色きもちきっぷ」は表面に「ありがとう」や「おめでとう」の文字が印刷されている(写真提供/山口証券印刷)
「いろ色きもちきっぷ」は表面に「ありがとう」や「おめでとう」の文字が印刷されている(写真提供/山口証券印刷)
いろ色きもちきっぷをプレゼントなどのタグに使用している例
いろ色きもちきっぷをプレゼントなどのタグに使用している例

携帯性と機能性を両立

 これら以外に、8つの商品が機能部門やデザイン部門でそれぞれ「優秀賞」として選出された。

 デザインフィル(東京・渋谷)が開発した「XSコンパクトパンチ」は、同社ブランド「ミドリ」で販売する世界最小クラスの2つ穴を開けるパンチ。折り畳むと手のひらに収まるコンパクトサイズで、本体を左右に広げて使うとコピー用紙なら5枚までの穴開けが可能という。

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