中川政七商店(奈良市)は2021年6月23~25日まで、「大日本市」と呼ぶイベントを東京・東品川の「E HALL」と「WHAT CAFE」で開催した。「日本のいいものと、いい伝え手を繋ぐ」をミッションに掲げた全国の工芸メーカーと小売店バイヤーが集う合同展示会で、今回で7回目。

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大日本市の会場風景。65ブランドが出展し、約1500人が訪れた。会期中は、ものづくりへの造詣が深い人々を「カタリベ」と命名し、出展商品をレビューする企画を初めて実施した。実際に使用してみないと本当の良さは分からないという判断からだ
大日本市の会場風景。65ブランドが出展し、約1500人が訪れた。会期中は、ものづくりへの造詣が深い人々を「カタリベ」と命名し、出展商品をレビューする企画を初めて実施した。実際に使用してみないと本当の良さは分からないという判断からだ
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 前回の20年11~12月はコロナ禍のオンライン開催だったが、今回は衣服やバッグ、帽子、アクセサリー、調理道具、食器、文具、食品など過去最多の65ブランドが出展し、約1500人が訪れた。

 例えば、めのや(松江市)が出展した「kiu 祈雨」は、祈りをテーマにした出雲地方の野草と玉造温泉水、出雲大社沖の海塩など自然由来の原料を主成分にしているスキンケアブランド。自然の恵みを生かし、清らかさや健やかさを感じてもらえるような商品だという。21年3月に発売し、せっけんや化粧水などをそろえる。

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めのやのスキンケアブランド「kiu 祈雨」。出雲地方の野草と玉造温泉水、出雲大社沖の海塩などが主成分
めのやのスキンケアブランド「kiu 祈雨」。出雲地方の野草と玉造温泉水、出雲大社沖の海塩などが主成分
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 日の出屋製菓(三重県菰野町)は自社商品「湯の花せんべい」と三重県産の茶を合わせた菓子「tabino ondo」を展示した。21年9月に発売した新製品で、コロナ禍でも旅の気分を味わってもらいたいと考えて企画したという。湯の花せんべいのパッケージにもAR(拡張現実)を盛り込み、地元の湯の山温泉の画像と自分の画像を重ねて表示できるようにして、湯の山温泉をアピールした。

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日の出屋製菓の「tabino ondo」は「和紅茶」「伊勢抹茶」「ほうじ茶」の3種類。餡(あん)とチョコレートがある。湯の花せんべいのパッケージにもAR(拡張現実)による新機能を装備(写真提供/日の出屋製菓)
日の出屋製菓の「tabino ondo」は「和紅茶」「伊勢抹茶」「ほうじ茶」の3種類。餡(あん)とチョコレートがある。湯の花せんべいのパッケージにもAR(拡張現実)による新機能を装備(写真提供/日の出屋製菓)
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 革靴の産地であった奈良県中部エリアにあるオリエンタルシューズ(奈良県大和郡山市)は、革靴職人のスキルを生かして立ち上げた新しいスニーカーブランド「TOUN」を展示した。「奈良でつくること、奈良で考えること、奈良をかたちにすること」を「New nostalgic」というコンセプトにした。寺社仏閣や鹿といった奈良ではなく、奈良が持つ時間の流れをスニーカーのデザインから意識してほしいという。

オリエンタルシューズが革靴職人のスキルを生かして立ち上げたスニーカーブランド「TOUN」
オリエンタルシューズが革靴職人のスキルを生かして立ち上げたスニーカーブランド「TOUN」
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