海外で「BNPL(Buy Now, Pay Later)」と称される「後払い」決済サービスが、クレジットカードとは異なる客層を開拓して、日本でも存在感を増している。2021年5月11日には業界首位のネットプロテクションズなど7社が、初めての業界団体を設立した。BNPLがキャッシュレス決済の普及を推し進めるエンジンになり得るか──。

日本国内の後払い決済(BNPL)サービス市場は拡大の見込み 出所/矢野経済研究所「オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測2021年版」
日本国内の後払い決済(BNPL)サービス市場は拡大の見込み 出所/矢野経済研究所「オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測2021年版」

 クレジットカードとは異なる、「BNPL(Buy Now, Pay Later)」と称される「後払い」決済サービスの市場が、日本で伸びている。矢野経済研究所の推定によれば、2020年度のBNPL市場は8820億円。これが4年後の24年度には、2倍以上の1兆8800億円にまで膨れ上がる見込みだ。20年度に約67兆円、24年度には約100兆円まで伸びると予測されているクレジットカード市場に比べると規模はまだまだ小さいが、年平均成長率(CAGR)20%超と伸び率は高い。

 日本のBNPLサービス最大手のネットプロテクションズ(東京・千代田)が21年6月末に公開した20年度の業績を見ても、伸長は著しい。主にECサイト向けに提供し、楽天市場やライオン、DINOS CORPORATIONなど大手ECサイトを含めて4万社以上が導入済みの主力サービス「NP後払い」(「NP後払いair」含む)の20年度の年間取扱高は、前年対比16%増となる3400億円を突破。年間ユニークユーザー数も、前年対比9%増(前年比約130万人増)の1580万人に達している。国内15歳以上人口のうち約7人に1人が、NP後払いを利用している計算になる。

ネットプロテクションズが提供する「NP後払い」の年間取扱高の推移 出所/ネットプロテクションズ
ネットプロテクションズが提供する「NP後払い」の年間取扱高の推移 出所/ネットプロテクションズ

BNPLはカード番号などを入力する必要なし

 ネットプロテクションズが提供する会員制後払いサービス「atone(アトネ)」など、リアル店舗で利用できるサービスもあるが、BNPLは主にECサイトでの決済に利用されている。決済する際、カード番号などをユーザーが改めて入力する必要がないのが特徴だ。

 ユーザーはECで買い物し、決済終了後、商品を郵送などで受け取る。その後、商品と同様に送られてくる請求書を使い、コンビニエンスストアや郵便局、銀行などで指定の期限までに支払いを済ませればよい。取引データをAI(人工知能)などで分析・活用する各社の与信審査システムが、このサービスを可能にしている(参考記事「後払い決済の『NP後払い』 システム刷新で即時与信審査を実現」)。

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