NTTe-Sports(東京・新宿)が2021年6月30日、ゲーミンググラス「HawkEye」を発表した。耳と鼻ではなく頬骨と側頭部で支える構造が特徴で、ゲームをするときにヘッドホンと干渉しないため痛みや圧迫感が少ない。レンズは交換可能で、オンライン会議などに向いた普段使いの眼鏡フレームとしても訴求する。

鼻あてのない構造が特徴の、NTTe-Sportsのゲーミンググラス「HawkEye」。価格は2万4200円(税込み)
鼻あてのない構造が特徴の、NTTe-Sportsのゲーミンググラス「HawkEye」。価格は2万4200円(税込み)
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 HawkEyeは、専用ケースと曇り止めのクロスが付属してメーカー希望小売価格は2万4200円(税込み)。クラウドファンディングサービス「Makuake」で2021年6月30日より先行予約販売を開始しており、7月6日の時点で目標金額の50万円を大きく上回る480万円以上を集めている。

マットブラック、スケルトングレー、ピンクグレーの3色がある
マットブラック、スケルトングレー、ピンクグレーの3色がある
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 ゲーミンググラスとは、ゲームをするときに眼の疲労を低減するための機能をもった眼鏡のこと。HawkEyeの特徴は、一般的な眼鏡のように耳にかけたテンプル(ツル)と鼻にのせた鼻あてで支えるのではなく、耳を避けて斜め上に伸びたテンプルと、斜め下に突き出たサイドパッドにより頬骨と側頭部でフレームを支える、「クアッドリフトフレーム」と呼ぶ構造だ。

 クアッドリフトフレームにより、ヘッドホンを装着したときにテンプルが耳と頭に挟まれることがないため、痛みや圧迫感が少ない。頭にヘッドホンがしっかり密着することで遮音性も高くなり、よりゲームに没頭しやすくなる。ヘッドホンを着脱するときに眼鏡がずれることがないなどのメリットもある。テンプルとサイドパッドは曲げることができ、ユーザーが自分の顔に合わせて形状を調整できる。

耳と鼻ではなく、斜め上に伸びるテンプルと、下に突き出たサイドフレームで支えるため、ヘッドホンやマスクと干渉しない
耳と鼻ではなく、斜め上に伸びるテンプルと、下に突き出たサイドフレームで支えるため、ヘッドホンやマスクと干渉しない
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 購入時点では度の入っていないブルーライトカットレンズがついている。レンズは交換可能で、愛眼、OWNDAYS、JINS、PARIS MIKIのレンズ交換対応確認済み店舗に持ち込むことで交換できる。

地域産業×eスポーツの掛け合わせ

 NTTe-Sportsでは、一般的な眼鏡よりずれにくいことや、痛み、圧迫感が少ないことを生かし、機能的な眼鏡フレームとしてゲーム以外の用途も訴求したい考えだ。例えばオンライン会議やビデオ編集などでヘッドホンを装着するときにも、快適な装着感で集中力を高められる。マスクをかけたときのひもによる痛みや着脱時のズレもない。鼻あてで跡がつくことや、眼鏡によるメイクくずれを気にする人にとっても有用だ。

 HawkEyeは、プロ選手も使用するスポーツサングラスを設計・製造している福井県鯖江市の眼鏡メーカーと共同開発したものだ。鼻あてのない構造はそのスポーツ用グラスが基になっている。NTTe-Sportsの影澤潤一副社長は「鯖江は眼鏡の聖地だが、若い人にはそれを知らない人もいる。eスポーツを通じた地域活性化は、NTTe-Sportsのミッションの1つ。地域産業の強みとeスポーツという新しいシーンを掛け合わせる取り組みも進めていきたい。製品を通じて地域の特徴を知ってもらうきっかけになるのではないか」と語る。

NTTe-Sportsの影澤潤一副社長。度入りのレンズに交換したHawkEyeをかけている
NTTe-Sportsの影澤潤一副社長。度入りのレンズに交換したHawkEyeをかけている
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 クラウドファンディングでの出足も好調なHawkEye。「その実績を踏まえ、眼鏡店などに販売コーナーを設置して、ゲームプレーヤー以外の人にも知ってもらえるようになれば」と同社。実際に装着してみると、鼻あてがなくテンプル全体で支える構造により頭への圧迫感が少なく、また汗や顔の脂で滑ることがほとんどないため装着感は快適だった。オンラインに限らず眼鏡店にも販路が広がれば、一般用の眼鏡フレームとしても幅広い層に訴求できそうだ。

(写真/湯浅英夫)