ポケモン(東京・港)は2021年6月21日、観光・航空産業を支援する「そらとぶピカチュウプロジェクト」を発表した。第1弾として、スカイマークとの提携によるピカチュウを機体に描いた「ピカチュウジェット BC」が就航したほか、沖縄県の観光施設や交通機関との施策を発表した。今後は世界へ展開する計画。

ピカチュウを機体全面にあしらったスカイマークの「ピカチュウジェット BC」。機種は米ボーイングのB737-800型機で、スカイマークでは初の全面特別塗装機となる
ピカチュウを機体全面にあしらったスカイマークの「ピカチュウジェット BC」。機種は米ボーイングのB737-800型機で、スカイマークでは初の全面特別塗装機となる

 「ピカチュウジェット BC」は、沖縄発着路線を中心に運航する。ピカチュウと同じ黄色い機体で、風船を付けた「そらとぶピカチュウ」が各所に描かれている。飛んでいる姿を下から見つけやすいように、機体底面にもピカチュウをあしらった。

風船を付けた「そらとぶピカチュウ」が描かれている。機内から見えるようにエンジンカバー上部にも描かれている
風船を付けた「そらとぶピカチュウ」が描かれている。機内から見えるようにエンジンカバー上部にも描かれている

 機内もピカチュウがいっぱいだ。機内サービスで配布するマスクやドリンクの紙コップ、お菓子などにもピカチュウをあしらい、子どもにはオリジナルキーホルダーやアクリルスタンドなどを配布する。搭乗記念メダルなどのグッズ販売も行う。搭乗券にもピカチュウが描かれているなど、ピカチュウづくしとなっている。制作にあたってポケモンは版権使用料を5年間無償としたほか、塗装費用も負担している。

ヘッドレストカバーにピカチュウをデザインしたほか、機内サービスのアメニティーや機内販売グッズもピカチュウづくし
ヘッドレストカバーにピカチュウをデザインしたほか、機内サービスのアメニティーや機内販売グッズもピカチュウづくし

 プロジェクトには沖縄県の70以上の企業や団体、自治体も参加している。沖縄都市モノレール、路線バス、高速バスではピカチュウのラッピング車両を運行する。7月以降は、沖縄美ら海水族館などの観光施設との提携を開始予定で、沖縄県の名産品にピカチュウたちが描かれたオリジナル商品も多数発売される。これらの版権使用料も無償で、ラッピング費用や制作費をポケモンが一部負担している。

 ポケモンは世界各地の航空会社との提携を検討しており、シンガポールのLCC(格安航空会社)であるスクートとの提携も発表した。ポケモン プロジェクト担当役員の福永晋氏は「コロナ禍で、ポケモンらしい社会貢献ができないかと社内の有志で始めたCSR(企業の社会的責任)的な取り組み。長期間にわたって行う取り組みであり、心おきなく移動できるようになったときに楽しんでほしい」と語る。沖縄県の観光産業やピカチュウジェットを運航するスカイマークにとって、コロナ禍で落ち込んだ集客の回復につながる心強い味方になりそうだ。

(写真提供/スカイマーク、写真/湯浅英夫)

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