クレジットカード大手の三井住友カード(東京・江東)が、カードを利用できるリアル加盟店の開拓で攻勢を強めている。新たに開発した小型の専用モバイル端末を投入したり、中小規模のリアル店に対して「Visa」「Mastercard」ブランドのクレジットカードに限り決済手数料を引き下げたりして、店側の利便性を引き上げているのだ。キャッシュレス化の進展という大波を契機に、クレジットカード会社最強の地位を目指す同社の試みを追った。

三井住友カードが市場に投入し始めた、1台でさまざまな決済に対応できる小型の専用モバイル端末「stera mobile」(三井住友カードのWebサイトより)
三井住友カードが市場に投入し始めた、1台でさまざまな決済に対応できる小型の専用モバイル端末「stera mobile」(三井住友カードのWebサイトより)
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 三井住友カードが2020年7月以降、加盟店開拓の主な武器としていたのが、GMOペイメントゲートウェイ、ビザ・ワールドワイド・ジャパン(東京・千代田)の2社と提携して構築した、事業者向け次世代決済プラットフォーム「stera(ステラ)」だ。

 リアル店舗はsteraの専用決済端末「stera terminal」が1台あれば、クレジットカードはもちろん、交通系や「QUICPay」「楽天Edy」といった主要な電子マネー、主なQRコードによる決済にも対応できる(参考記事「三井住友カード QR、電子マネーなど“全部入り”で囲い込み加速」)。

専用モバイル端末「stera mobile」登場

 そのstera の端末ラインアップに、小型の専用モバイル端末「stera mobile」が登場する。これまでのstera terminalはレジ横に据え置くタイプだったが、stera mobileは大きさを一回り小さくし、重量もバッテリー込みで460グラムと軽くして、店員が手軽に持ち運べるようにした。それもBluetooth(ブルートゥース)による通信機能を備え、1台でさまざまな決済手段に対応できるという特徴を残しつつ、だ。

 レジではなくテーブルで会計するオペレーションの飲食店や、期間限定で出店するポップアップストア、配達員が商品を客先に届けるデリバリーサービスなど、これまでのstera terminalでは開拓できなかったリアル店を、加盟店として幅広く開拓していくのが狙い。近々、提供開始が正式にリリースされる予定だ。

中小小売店向けに決済手数料を一部引き下げ

 実は三井住友カードは21年4月1日から、加盟店開拓のための手をもう1つ打っている。それが、個店や中小規模の小売店に向けた新たなサービス「stera pack」の提供だ。

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