ファーストリテイリング傘下のジーユー(GU)が、テレビ東京の赤ちゃん向け番組「シナぷしゅ」とコラボレーションした「GU baby」の新商品を発表。2021年6月3日からオンラインストアで販売。11日からはフルラインストア(超大型店舗)で販売を開始する。

「GU baby」がテレビ東京の赤ちゃん向け番組「シナぷしゅ」とコラボレーションした新商品を発売。Tシャツは親子でおそろいを着られるように大人向け(ユニセックス)も用意している
「GU baby」がテレビ東京の赤ちゃん向け番組「シナぷしゅ」とコラボレーションした新商品を発売。Tシャツは親子でおそろいを着られるように大人向け(ユニセックス)も用意している

「赤ちゃんの視点」を加えた商品開発

 ジーユーのベビーコレクション「GU baby(ジーユー ベビー)」が、新たなシリーズを発売した。「東京大学赤ちゃんラボ」が監修するテレビ東京の0~2歳向け番組「シナぷしゅ」とのコラボレーションにより開発した商品で、人気キャラクターの「ぷしゅぷしゅ」をデザインに取り入れた全3アイテム。2021年6月3日よりオンラインストアにて販売を開始。6月11日からはオンラインストアのほか、キッズ商品の取り扱いがある大型店舗、フルラインストア(超大型店舗)など全国のGU baby取扱店舗でも販売する。また商品と連動し、実際に服を着ながら楽しめる動画や、服の成り立ちを学べる動画など、合計5本のスペシャルコンテンツも用意している。

今回のコラボ商品は「シナぷしゅジユウT(2WAYデザインT)」(税込み1290円)と「ぷしゅポッケサマナルパンツ(イージーテーパードHPT)」(税込み990円)、「ポケ付きビッグT(半袖)」(税込み1690円)の全3アイテムでいずれもカラーは3色展開。キッズは80センチ、90センチ、100センチ。大人はユニセックスでXS~XXL(XS、XXLはオンラインストア限定サイズ)
今回のコラボ商品は「シナぷしゅジユウT(2WAYデザインT)」(税込み1290円)と「ぷしゅポッケサマナルパンツ(イージーテーパードHPT)」(税込み990円)、「ポケ付きビッグT(半袖)」(税込み1690円)の全3アイテムでいずれもカラーは3色展開。キッズは80センチ、90センチ、100センチ。大人はユニセックスでXS~XXL(XS、XXLはオンラインストア限定サイズ)

 新商品発表会に登壇したジーユー グローバル商品本部の平松修吉氏によれば、GU babyのプロジェクトは約2年前にスタート。大人同様のトレンドカラーを取り入れるなどの「ファッション性」、着脱させやすくかつ乳幼児自身の動きやすさに配慮した「実用性」、ホルムアルデヒドの規制基準をクリアするなどの「安心の品質」、そして「低価格」(セパオールは税込み1490円、サマナルパンツは税込み790円)という4つのキーワードを掲げ、商品を開発。21年2月22日に第1弾商品を発売し、「セパオール」(1枚ながらコーディネートしているように見えるカバーオール)、「サマナルパンツ」(イージーテーパードパンツ/おむつをしていてもお尻周りが気になりにくく“はくだけでサマになる”)を核に展開している。

ジーユー グローバル商品本部の平松修吉氏
ジーユー グローバル商品本部の平松修吉氏

 平松氏によれば、GU babyは「ママ、パパ目線での商品開発にかなり力を入れている」。ほぼ毎月ヒアリングの機会を設け、ユーザー、ショップスタッフ、子育て中の社員の意見をフラットに集めているという。

 「議論する中で挙がったのが、GU babyの商品は、(脱ぎ着させる)大人にとってはいい服だとしても、赤ちゃん自身はどうなのかという点だ。『着たいな。いいな』と乳幼児が思うのはどういう服なのか。その視点が必要と考えた」(平松氏)

 そこで「赤ちゃん向けコンテンツのプロ」であるシナぷしゅに、約1年前に声をかけた。ただし当初から人気キャラクターのぷしゅぷしゅをフィーチャーしたコラボ商品の開発を目的にしていたわけではなく、「媒体は違えど、赤ちゃんのためのものづくりをしているという共通点から、『専門家に赤ちゃんの視点を教えてもらいたい』と考えた」(平松氏)のだという。

 テレビ東京制作局で「シナぷしゅ」プロデューサーを務める飯田佳奈子氏も、今回のコラボを単なるキャラクター商品の開発と捉えているわけではなく、「子供自身の発想力、空想力を高める体験になるのでは」と期待を寄せる。

「シナぷしゅ」の番組名の由来は脳の神経細胞と神経細胞の間にあるつなぎ目である「シナプス」で、コンテンツを見ることでシナプスをどんどん増やし、脳の発達につなげ、「ぷしゅっ」と赤ちゃんの世界を広げ、保護者の肩の力を「ぷしゅ~」と抜くという意味が込められていると、テレビ東京の飯田佳奈子氏
「シナぷしゅ」の番組名の由来は脳の神経細胞と神経細胞の間にあるつなぎ目である「シナプス」で、コンテンツを見ることでシナプスをどんどん増やし、脳の発達につなげ、「ぷしゅっ」と赤ちゃんの世界を広げ、保護者の肩の力を「ぷしゅ~」と抜くという意味が込められていると、テレビ東京の飯田佳奈子氏

赤ちゃんの感性を育む体験商品の開発

 コラボ商品開発には、コロナ禍も影響している。

 「これまでであれば、乳幼児期でも公園に行って社会生活を学んだり刺激を受けたりしやすかったが、コロナ禍で外での刺激が減り、育児スタイルが変化している。(家で過ごす)日常生活でも発見や刺激を増やせないか、子供と新しいコミュニケーションが取れないかと模索する親御さんがいる中で、すべてを解決できなくても、一助にはなるような、感性を育みつつ、親子のコミュニケーションを促進する服作りができればと考えた」(平松氏)

 このため商品としては「赤ちゃんの感性を育むようなデザイン」を採用したTシャツとパンツを開発した。同時に商品のポイントを映像化したスペシャルコンテンツを用意し、赤ちゃんが服の楽しさをより感じられるようにしたという。

 では赤ちゃんの感性を育むデザインとは何か。

 まずTシャツは、ポケットの内側に刺しゅうをすることで、ポケットの中をのぞくと別世界が広がり、子供が想像力を膨らませられるようにした。

 ポケットは服のカラー展開に合わせて丸、三角、四角の3つを用意。飯田氏は「専門家の話では、大人は同じ職場で同じ服を着ている、つまりかぶっていることに否定的になるが、子供は友達と同じということがうれしく、『人と同じ』がポジティブに働く」と話す。同じぷしゅぷしゅが付いているけれど、ポケットの形が違うなど、自分と自分以外の人の「おなじとちがう」を意識するきっかけにできるのではないかという。この点では、大人とおそろいを着ることもでき、「パパやママと同じという喜びがあるとともに、カラー違いを選べばパパはここが違うねと、違いがコミュニケーションの機会を増やすことにもつながる」(平松氏)。

ジャケットの下に着ても気にならないシンプルなデザインも特徴。ポケット部分を子供と見せ合うなどコミュニケーションの促進になればという
ジャケットの下に着ても気にならないシンプルなデザインも特徴。ポケット部分を子供と見せ合うなどコミュニケーションの促進になればという

 ポケット上部に付いている大きなサイズのボタンもポイントだ。2~3歳になると自分でボタンに挑戦するようになるが、その際に「子供が自分で外しやすいサイズであるだけでなく、手が届きやすく見やすい場所にあるので、練習しやすい」(飯田氏)ため、達成感が得られやすい。さらに襟ぐりなどを工夫し、前後どちらでも着られるデザインにしているため、「前後ろ反対に着ているよ、などと否定的な言葉をかけずに、子供の着替えをより肯定しやすくなっている」(平松氏)という。また飯田氏は「できたということは自分にとってもうれしいし、周りの大人が褒めてくれるのもうれしい。ポジティブなことの積み重ねで自己肯定感も高まるのではないかと思う」と話す。

 パンツをはいたときのすっきり感はこれまでのサマナルパンツ同様で、動きやすさも維持しつつ、ポケットを引っ張り出すとキャラクターが飛び出してくるような世界観を作り上げた。コラボコンテンツの1つである「ジユウたいそう“GU”バージョン」を見ると、さらにポケットを出すという特別な動きを促せるという。

Tシャツにはカラーごとに形の異なるポケットが付いており、大きめのボタンで開け閉めできるようになっている
Tシャツにはカラーごとに形の異なるポケットが付いており、大きめのボタンで開け閉めできるようになっている
パンツのポケットはあえて引っ張り出したくなるデザインにしている
パンツのポケットはあえて引っ張り出したくなるデザインにしている

服育につなげていきたい考え

 今回のコラボ商品は、体を動かしたくなるような発見や、コミュニケーションを促進する仕掛けのある、いうなれば子供の非認知能力を高める一助になり得る、「五感を育むベビー服」を志向している。

 平松氏によれば、21年2月にGU babyを発表後、SNSでは歓迎する声とともに「遅すぎる」という不満の声も上がっていたといい、「求められていることを強く感じたが、ベビー業界は安全性をはじめ、ユーザーの求めるものも多様で、参入のハードルが高かった」という。

 客観的に見ても、厚生労働省発表の「人口動態統計速報」では20年の出生数が87万2683人と過去最低を更新しており、ベビー服市場は競争が激しくなると考えられる。GUの場合、ユニクロがベビー商品を展開し支持を得ているという背景もあり、GUでも「なぜやるのか」をよりしっかり考える必要があった。

 「いわゆるファンづくりにつなげて『赤ちゃんから大人まで、ずっとGUでショッピングをしてもらう』という視点は確かにある」としつつも、それだけでなく、「服を着ることを楽しみ、どうやって服が出来上がるのかを知りたくなるようなコンテンツ作りをし、服育につなげたいとも考えている」(平松氏)といい、それがGU babyの役割の一つになるのではないか、そうした意味で赤ちゃんの感性を育む、新しいベビー服になるのではないかと話した。

 なお今後の商品展開については明示はしなかったが、平松氏、飯田氏ともに前向きに開発していると回答。秋冬シーズンにも期待できそうだ。

GU社員の2歳の子供が実際に着て登場。ボタンをはめたり外したりする練習が楽しくできそうだ
GU社員の2歳の子供が実際に着て登場。ボタンをはめたり外したりする練習が楽しくできそうだ
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