新型コロナウイルス感染症の拡大で利用者が急減し、大打撃を受けた公共交通機関。オーストラリア最大の都市・シドニーを擁するニューサウスウェールズ州(NSW)も例外ではない。しかし、NSW交通局はいち早くデジタルを活用して混雑度などの予測情報を提供し、利用の回復を図ってきた。ニューサウスウェールズ交通Digital Products DeliveryのエグゼクティブディレクターであるChris Bennetts(クリス・ベネット)氏に話を聞いた。

シドニー近郊を結ぶシドニートレインズ
シドニー近郊を結ぶシドニートレインズ

まず、ニューサウスウェールズ(NSW)交通が運行する交通手段の種類と、利用者数は?

クリス・ベネット氏 500万人以上の人口を擁する州都のシドニーを核に、鉄道、地下鉄、バス、フェリー、ライトレール(路面電車)を運行している。ほとんどの乗客が交通系ICカードであるOpal(オパール)カードを使っており、運行するすべての交通機関をまとめると1年間に6億5000万回の利用がある。

コロナ禍を受けてニューサウスウェールズ州では公共交通へどのような影響があったか?

ベネット氏 オーストラリアは2020年3月にロックダウンがあった。そのときは公共交通にかなりの影響があり、全体で80%も利用が減った。また、道路の使用は55%減になった。ただ、現在はかなり回復してきている。

 というのも、コロナ禍以降、我々はユーザーのために大小合わせて4500ものサービスを追加してきた。すべては交通ネットワークの安全性を感じてもらうためだ。例えば、清掃するクリーナーを1800台追加導入し、清掃にかける時間も2000時間追加した。保健当局からのアドバイスで、乗車率はコロナ以前の75%の状態に戻すことを目標とし、施策を実施してきた。

具体的にどんな取り組みをしてきたか?

ベネット氏 鉄道やバスなどをユーザーが簡単に使える仕組みを整えた。数年前から交通のDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組み、リアルタイムで公共交通の乗車率を把握し、混雑状況を可視化することを実現してきた。

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