日本コカ・コーラは2021年5月31日から「コカ・コーラ」「ジョージア」ブランドで100%リサイクルペットボトルを導入すると発表した。「い・ろ・は・す天然水 100%リサイクルペットボトル」で20年3月に採用した同素材を旗艦商品にも拡大。エリア・チャネル限定でラベルレス商品のテスト販売も開始する。
1本当たり約60%のCO2排出量削減
日本コカ・コーラと5社のボトラー社などで構成されるコカ・コーラシステムは、2021年5月31日から「コカ・コーラ」「コカ・コーラゼロシュガー」「コカ・コーラゼロカフェイン」および「ジョージア ジャパン クラフトマン」などの旗艦商品に100%リサイクルペットボトルを採用する。使用済みペットボトルを新たなペットボトルとして再生するボトルtoボトル(BtoB)の取り組みによるもの。
20年3月から「い・ろ・は・す 天然水」で先んじて採用していたが、これにより、対象商品が3ブランド12製品に拡大する(サイズ展開は考慮せず。ジョージアは「ジョージア ジャパン クラフトマン」のメッセージボトルのみ)。
対象商品の拡大により、二酸化炭素(CO2)排出量は1本当たり約60%、コカ・コーラシステム全体で年間約3万5000トン削減できるとのこと。さらに、前年出荷実績に基づく同社の試算によると、対象商品合計で石油由来原料から作られる新たなプラスチックの削減量は約3万トンに上るという。
同社では、20年3月にい・ろ・は・す 天然水のボトルを100%リサイクルペットボトルに切り替えたことで、20年の同社製品におけるBtoBの比率は28%になった。今回、対象を旗艦商品にも広げることでBtoB比率は50%近くに高まるという。18年に日本のコカ・コーラシステムが発表した「容器の2030年ビジョン」では、30年までにすべてのペットボトルをサステナブル素材にすることを目指しており、「22年中にBtoB比率50%」という中期目標は達成できる見通しだ。
100%リサイクルペットボトルを拡大していくには、原料となる使用済みペットボトルの確保が欠かせない。コカ・コーラシステムでは、プラスチック循環社会実現の啓発活動の一環として、21年2月からリサイクル可能な容器ラベルに「リサイクルしてね」のメッセージロゴを表示している(関連記事「コカ・コーラ、再利用ペット樹脂使用率を28%に 流通にも拡大」)。
日本のペットボトル回収率は93%で世界でも最高水準だが、自宅ではきちんと洗浄し分別が実践されている一方、外出先ではキャップをつけたままや飲み残したままなど、BtoBに適さない状態でリサイクルボックスに捨てられることが多い。このため、適切な回収やリサイクルへの協力の呼びかけも必要となる。
コカ・コーラシステムは100%リサイクルペットボトルを使用した旗艦商品が店頭に並ぶ5月31日以降、バナー広告やYouTube動画広告、LINEプッシュ配信などのメディアを活用し呼びかけを強化する。
なお、一部のエリア・チャンネルでは同日から、紙カートンを使用した「コカ・コーラ」(350ミリリットル)、「綾鷹」(525ミリリットル)、「アクエリアス」(500ミリリットル)のラベルレス4本マルチパックのテスト販売も開始する。
(写真提供/日本コカ・コーラ)