冷製缶スープはこの5年間の販売額で6倍を超える成長を見せている市場だ。この波に乗り、ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)は「じっくりコトコト 冷製缶スープ」の販売を強化する。おにぎりやパン、菓子類と並ぶ間食需要に着目、俳優の横浜流星を起用した動画広告などで認知拡大を狙う。

ポッカサッポロフード&ビバレッジは「じっくりコトコト 冷製缶スープ」の2製品をリニューアル。横浜流星をイメージキャラクターに起用した動画広告などで認知拡大を目指す
ポッカサッポロフード&ビバレッジは「じっくりコトコト 冷製缶スープ」の2製品をリニューアル。横浜流星をイメージキャラクターに起用した動画広告などで認知拡大を目指す

 冷製缶スープは、2016年からの5年間で販売金額(推計)が約6.27倍と急成長している商品ジャンル(インテージSRI 調べ)。ポッカサッポロフード&ビバレッジ(以下、ポッカサッポロ)の「じっくりコトコト 冷製缶スープ」シリーズも、同社の発表によれば、20年の販売数量が前年比約165%と大きく伸びているという。

 急成長の背景にあるのは、コロナ禍による巣ごもり需要や食スタイルの変化、健康意識の高まりだ。それを受けてポッカサッポロでは21年2月22日、同社の冷製缶スープ4種類のうち主力である「コーンポタージュ」と「トマトとたまねぎのスープ」を季節限定(2~8月)から通年販売に切り替えた。前者は12年発売のロングセラーで広く認知されている味であること、後者は野菜を摂取したい層のニーズを狙えることがその理由だ。

冷製缶スープの市場は右肩上がり。コロナ禍の影響もあって2020年は飛躍的に拡大した
冷製缶スープの市場は右肩上がり。コロナ禍の影響もあって2020年は飛躍的に拡大した

 ポッカサッポロの冷製缶スープが狙うのは、朝昼晩の食事の際の汁物としての需要に加えて、小腹がすいたときに飲む「間食需要」だ。同社が17年に実施した冷製スープの飲用シーンの調査では「おやつ代わりに飲む」という人の比率が約17%と、「昼食時に他の食べ物と一緒に飲む」という人の約18%に次いで高かった。

 そこでポッカサッポロでは「これが、間食イノベーション。」を21年春夏の冷製缶スープのキャッチフレーズとして打ち出し、通年販売とした2商品のパッケージに「小腹においしい!」の文言を追加した。おにぎりやパン、菓子類などと並ぶ「小腹満たし」のポジションを取りに行ったわけだ。

21年2月にリニューアルした「コーンポタージュ」と「トマトとたまねぎのスープ」。パッケージには「小腹においしい!」の文言
21年2月にリニューアルした「コーンポタージュ」と「トマトとたまねぎのスープ」。パッケージには「小腹においしい!」の文言

 とはいえ、冷製スープ自体の認知はまだまだこれから。「読売広告社の調べによると半数以上が『どういうときに冷製スープを飲むのかイメージできない』と回答している」とポッカサッポロフード&ビバレッジ 加工食品事業部の前田美紗氏は話す。

 その一方で、同社の冷製缶スープは「おいしい」と評判が良く、試飲した人はリピート購入する傾向が見られるとのこと。つまり「とにかく一度、飲んでもらう」ことさえできれば継続的に売れる商品なのだ。

飲用シーンがイメージできない消費者が半数を占める一方で、実際に飲んでみると「おいしい」と評価される冷製スープ。認知拡大が市場拡大の鍵を握る
飲用シーンがイメージできない消費者が半数を占める一方で、実際に飲んでみると「おいしい」と評価される冷製スープ。認知拡大が市場拡大の鍵を握る

 ターゲットである間食需要にリーチするためにポッカサッポロがとった施策は動画広告やSNS広告だ。20年春から「じっくりコトコト」ブランドのイメージキャラクターを務める横浜流星を起用した動画広告「じっくりコトコト 冷製缶スープ 間食イノベーション編」「ちょうどいい小腹満たし編」などを特設ブランドサイトやYouTubeで21年4月27日に公開。5月11日からは、動画広告を共有すると横浜流星の撮影後のインタビュー動画が見られるTwitter限定キャンペーンも開始する。

 購入意欲の喚起については、プリペイドカードが当たるキャンペーンを展開しているほか(21年5月31日まで)、21年5月31日には「コーンポタージュ」3缶、「トマトとたまねぎのスープ」「じゃがいものスープ」「栗かぼちゃのポタージュ」各1缶をセットにした「6缶バラエティパック」を発売する予定。さらに、消費者との接点を拡大する意味で、冷製カップ入りスープや徳用箱タイプも含めた冷製スープの店頭販促企画にも力を入れるとのことだ。

(写真提供/ポッカサッポロフード&ビバレッジ)