「次の50年」に向けた第一歩だ。タカラトミーは、2020年に50周年を迎えたダイカスト製ミニカー「トミカ」の新製品として、NFCチップを搭載した「スーパースピードトミカ」と、トミカを走らせてレースができる走行コース「トミカスピードウェイ実況サウンド!デジタルアクセルサーキット」を21年6月19日に発売する。スマホの専用アプリでレースに合わせた映像の演出が楽しめるほか、ラップタイムやレース成績などを記録できる。
「スーパースピードトミカ」は、一般のトミカより軽量化したボディーや専用ホイールを備え、フロントとリアにコーナリング用のガイドローラーが付いた製品。専用アプリをインストールしたスマホで走行データを記録したり、マシン限定のアナウンスやBGMを聴くことができるように、トミカ初のNFCチップを搭載している。日産自動車の「GT-R」やスバルの「WRX STI」など実在のスポーツカーをモデルした4製品があり、希望小売価格はいずれも1320円(税込み、以下同じ)。
「トミカスピードウェイ実況サウンド!デジタルアクセルサーキット」は、トミカを走らせて遊べるサーキット。ボタンを連打するとトンネル内のローラーが回転し、その推進力でトミカを加速させて走らせる仕組み。ボタンを押すリズムや押し方で速度が変化し、対戦相手と勝敗を競う。周回やラップタイム、レースの勝敗を判定するデジタルラップカウンターが付いていて、実況サウンド付きで2人で対戦したり、ラップタイムを競ったりして遊べる。スマホを設置して専用アプリを使うと、アニメーション演出付きでの対戦や、最大8人で遊べるトーナメント戦、CPUとの対戦ができる。スーパースピードトミカを使うと、専用アプリでアバターを設定したり、レース成績のステータス確認などができる。希望小売価格は1万2100円。
50周年をへて未来に向けた戦略商品
新製品はトミカを走らせるアナログの遊びと、スマホによる演出やレース成績の管理などのデジタル技術を組み合わせたことが特徴だ。トミカシリーズは20年に発売50周年を迎えており、新製品は次の50年に向けて「テクノロジー×エンターテイメント」を軸に新時代の遊びの価値を提案していく「トミカ アドバンスプロジェクト」の第1弾という位置付けになる。
タカラトミー ブランドビジネス本部 トミカマーケティング部の吉原有也氏は「リアルとバーチャルの融合が新製品のポイント。トミカには、子供だけでなく年齢性別問わずファンがいる。そうした子供心を持つ人たちに、テクノロジーとエンターテインメントを掛け合わせた新しい遊びを提案し、ユーザーの裾野を広げていきたい」と述べた。
今後は、Webを中心にインフルエンサーを起用した親子をテーマにしたプロモーションや、マクドナルド「ハッピーセット」のDVDに動画を収録するなどのプロモーションを予定している。コロナ禍でトミカショップなどの小売事業やトミカ博・プラレール博などのイベント事業は影響を受けているが、20年に発売したトミカ50周年記念商品など商品の人気は高いという。外出自粛が続くなか、自宅で楽しめる遊びとしてファンを増やすことにつながるか。
(写真提供/タカラトミー)