ロフト(東京・渋谷)は2021年4月16日~5月31日にかけて、全国の店舗とオンラインストアでメンズコスメの専門イベント「ロフト コスメフェスティバル for MEN 2021SS」を開催する。4回目となる今回は、前回より12ブランド増の46ブランドが集まった。その顔ぶれから、21年は「サイレントメイク」がヒットのキーワードになりそうだ。
ここ数年で男性向けコスメ市場が急拡大している。男性向け専門の化粧品ブランドで頭角を現したバルクオムや、スキンケアクリームの累計出荷数が116万個を突破した資生堂の「ウーノ」など、先進企業が市場をけん引してきた。この新市場を狙い、新ブランドの参入が相次いでいる。ロフトのコスメフェスティバルは、最新のメンズコスメがロフトの店舗やECサイトに一堂に会するイベントだ。
ロフトでは2019年まで、メンズコスメの売り上げが8年連続で伸長していた。右肩上がりのメンズコスメ需要を受けて、女性に好評だったコスメフェスティバルを男性向けにも開催することになった経緯がある。20年以降は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による店舗の営業時間短縮などが響き、21年4月1日~18日のメンズコスメの売上高は、19年同時期と比べて99.6%とほぼ横ばい。
それでも、ロフト営業企画部広報・渉外部の高橋祐衣氏はイベント開催に手ごたえを感じている。「営業短縮がある中で健闘しており、メンズコスメへの需要が高まってきていて、その市場も広がってきていると言える。学生からサラリーマンまで幅広い年代の人にメンズコスメを手に取ってほしい」と語る。
会議や飲み会のオンライン化でメンズコスメの需要拡大
その理由はコロナ禍で急速に進んだ、会議や飲み会のオンライン化にある。ディスプレーを通して自分の顔を見る機会が多くなり、自身の肌を気にする機会が増えた。また、リモートワークの普及や外出自粛により、在宅時間が増えてスキンケアにかけられる時間が増えた。そうした背景から、コスメアイテムは女性だけでなく、男性にも身近なものになりつつあるという。
メンズコスメが市民権を獲得してきている一方で、見受けられる新たなトレンドが「ナチュラル志向」だ。メンズコスメを使って手入れはしたいが、周囲にばれるのは避けたいというニーズが高まっている。ロフトのイベントにも、自然な仕上がりを追い求めた商品が数多く集まった。
この記事は会員限定(無料)です。