カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループが、2021年4月21日からモバイル決済に本格参入した。グループ会社のTマネー(東京・渋谷)が運営する電子マネー「Tマネー」をApple Payに対応させ、全国の「iD」または「Mastercardコンタクトレス」に対応した124万カ所以上の端末で利用可能にする。約7000万人のアクティブ会員を抱えるTポイントサービスや、21年3月にサービスを始めた新たな銀行サービス「T NEOBANK」などとの連動で、Tマネーのさらなる普及を図る。

iPhoneとApple WatchのApple Payに、それぞれTマネーを対応させたイメージ(写真提供/Tマネー)
iPhoneとApple WatchのApple Payに、それぞれTマネーを対応させたイメージ(写真提供/Tマネー)
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 年1回以上ためたり使ったりするアクティブ会員数が約7000万人に達するなど、ポイントサービスでは絶大な存在感を示すTポイント。ところが、Tポイント付与の基になっているTカードは、電子マネーやコード決済への対応で、競合他社に比べてこれまで遅れていたと言ってよい。

 Tカード(モバイルTカード含む)の利用者が、現金などで手持ちのカードにチャージして使える「Tマネー」は提供していたものの、Tカードに対応した小売店約2万3000店でしか利用できなかった。多くの利用者からすると、Tポイントを使った支払いとTマネーを使い分ける必要性に乏しく、利便性が低かった。

他のゲートウェイ事業者とも交渉

 今回、クレジットカード大手の三井住友カード(東京・江東)と契約を結んで、TマネーをApple Payに対応させ、電子マネーの「iD」(利用可能店舗数:全国124万カ所)またはクレジットカード対応の非接触決済サービス「Mastercardコンタクトレス」(利用可能店舗数:非公開)に対応した小売店で、Tマネーを使えるようにした。これにより、iPhone(iOS対応)を利用しているTカード利用者は、「これまでの53倍以上の小売店でTマネーを使えることになる」(CCCマーケティングTマネー事業部MissionUnitLeader兼TマネーのTマネー事業部部長である菊地泰氏)。「AndroidOSへの対応は現時点で未定」(菊地氏)だが、早晩、対応してくることは確実だ。

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