スポーツブランド、ニューバランスジャパン(東京・千代田)はスポーツ用品大手のアルペン、一般社団法人・渋谷未来デザイン(東京・渋谷)と、働く人々をサポートする産官連携の「ワークティブプロジェクト」を発足。アルペンとの共同開発ライン「THE CITY(ザ シティ)コレクション」を軸に、セミナーやイベントを通じて、運動習慣や働き方を提案していく。

2021年3月29日に行われた「ワークティブプロジェクト」発足発表会。左よりお笑いコンビのシソンヌのじろう、渋谷未来デザインの長田新子理事、ニューバランス ジャパンの前川貴宏氏、アルペンの斉藤胤人氏、シソンヌの長谷川忍
2021年3月29日に行われた「ワークティブプロジェクト」発足発表会。左よりお笑いコンビのシソンヌのじろう、渋谷未来デザインの長田新子理事、ニューバランス ジャパンの前川貴宏氏、アルペンの斉藤胤人氏、シソンヌの長谷川忍

 今回発足した「ワークティブプロジェクト」の土台となったのは、ニューバランスジャパンが2020年2月に発売した「THE CITY(ザ シティ)コレクション」(以下、ザ シティ)だ。

 ザ シティは「働く大人のデイリーウエア」として、アルペンと共同開発。5つのシルエットのパンツを中心に、ジャケット、ワッペンポロシャツ、ワッペンTシャツ、スプリングコートというラインアップを、全国のスポーツデポ・アルペン、アルペンの公式オンラインストアにて限定販売した。ニューバランスのシューズ同様、多様な「体形」「シーン」「時代」にフィットすることをテーマに、トータルコーディネートできるようにしたという。独自開発した「サークルストレッチウーブン」素材をパンツとジャケットに採用。自転車通勤やゴルフのときなど、オフィスワーク時だけでなくアクティブなシーンでも活用できるデザインが特徴だ。21年2月にはボーダーTシャツやショーツ、バッグを加え、ラインアップを拡充している。

ワークティブは働き方の提案の1つ

 21年はこのコレクションとともに、「work=働く」と「active=活発的」を組み合わせた造語である「Worktive(ワークティブ)」を掲げた本プロジェクトを立ち上げ、新たな働き方の提案まで踏み込むつもりだ。「『働く』を、もっとアクティブに。」と銘打ち、「日々の働く時間にも運動習慣を取り入れることで、仕事のパフォーマンス向上につながる働き方」をセミナーやイベントなどを通じて提案する。これには新型コロナウイルス感染症の拡大が大きく関わっている。

 「ワークティブの企画は、1回目の緊急事態宣言が発令された20年4~5月から起案し始めた」と、ニューバランスジャパン営業本部営業企画部の前川貴宏氏。働く環境、生活スタイルが変化し、在宅勤務、リモートワークが推奨され、働き方の主流になる過程で、「スポーツブランドとして働き方のパフォーマンス向上につながる提案が社会にできないかと、アルペンと共にザ シティを1つの手段として考え始めたのが発端」(前川氏)だ。

 ニューバランスジャパンでも20年3月から在宅勤務を取り入れ、現在も社員のほとんどが在宅勤務をしている状況。前川氏自身、「子どもの送り迎え、家族との時間が増えた」というメリットを感じているが、一方で、平均歩数が著しく減るなど、運動量が圧倒的に減少傾向にある人が増えたのではないかと懸念する。またオフィスにいれば自席から会議室への移動中、あるいは隙間時間に仲間と情報共有するといったリフレッシュが可能だが、リモートワークではそれができない。

 こうした中、ザ シティを商品として販売するだけでなく、働く環境を支えるものにすることを目的に、消費者調査を実施。首都圏を中心に全国の20~40代の有職男性(普段スーツやジャケットを着用する通勤者30人、在宅勤務者30人)を対象として、ザ シティ着用のうえ勤務前と後に軽度な運動を取り入れることでの変化を調べた。すると、どちらも仕事のパフォーマンス、睡眠の質、メンタル状態が向上したという。

 この結果に加え、渋谷未来デザインをはじめとした複数企業との意見交換を経て、「(ワークティブプロジェクトの)現スキームが固まっていった」(前川氏)。

勤務前後に「THE CITYコレクション」の商品を着用して軽度な運動を取り入れると、仕事のパフォーマンス、睡眠の質、メンタル状態が向上したという調査結果が出た
勤務前後に「THE CITYコレクション」の商品を着用して軽度な運動を取り入れると、仕事のパフォーマンス、睡眠の質、メンタル状態が向上したという調査結果が出た