玩具のサブスクサービス「Toysub!(トイサブ!)」を提供するトラーナ(東京・中野)が、蓄積したデータを基に、プライベートブランド(PB)の玩具開発に乗り出した。2021年4月には既に第3弾の「積み木」を市場に投入済み。米Netflixなども成功した、サブスクで得たデータに基づく独自商材の投入というモデルの手応えを探った。
トイサブ!の利用イメージはこんな具合だ。利用者は月額3674円(税込み、送料込み)の料金を支払い、申込時にまず、トイサブ!からのアンケートに回答する。子どもの月齢や子どもが主に遊ぶ部屋の広さ、どんな玩具を既に持っているか、どんな玩具を希望するかなどはもちろん、握ったり、ねじったりなど実際に子どもができる動作から、下の階に音に敏感な住人が住んでいるかどうかまで、詳細に記入する。
このアンケートと、それまでに他の利用者から得た利用者満足度やコメントなどのデータに基づき、トラーナの専門プランナーが、世界中から集めた1600種類以上、約6万3000点の消毒済みの在庫の中から、利用者の子どもに合った玩具の組み合わせ(プラン)を考え、0歳~4歳未満までは1回6点、4歳~6歳未満までは同5点の玩具を、隔月で送り届ける。利用者によって送られてくる玩具の組み合わせは異なるが、1回のプランに含まれる玩具の定価合計が1万5000円相当になるように考慮されている。
利用者は隔月で玩具を交換する際、やはりアンケートに回答する。5段階評価で利用者満足度を示す他、気づいた点をコメントの形で記す。トラーナは、5段階評価を定量データとして、コメントを定性データとして、それぞれ蓄積し、その後の玩具の仕入れやプランニングに生かす。
子どもの成長は早く、玩具の買い替えサイクルは短い。トイサブ!を利用すれば、子どもの発達に合わせて玩具を交換できるため、子どもは喜び、利用者は部屋が玩具であふれかえる心配をしなくて済むわけだ。
利用者が増えるにつれ課題も明確に
新型コロナウイルス感染症のおかげでテレワークが広がり、それに伴い、機会を見つけて親子で一緒に遊びたいという利用者のニーズが増えたこともあって、トイサブ!の利用者数は伸び続け、2021年になって1万人を突破した。
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