長期保存食を製造・販売する亀田製菓グループの尾西食品(東京・港)と「カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)」を展開する壱番屋が初のコラボレーション製品「CoCo壱番屋監修 尾西のカレーライスセット」を発売し、商品説明会を行った。「災害でも食べられる」備蓄食としてアウトドアや日常での利用拡大を狙う。

(左より)2021年4月7日にオンラインで行われた新商品説明会に登壇した、尾西食品の古沢紳一社長、同商品開発部の味方裕佳氏、壱番屋の杉原一繁取締役(写真提供/尾西食品)
(左より)2021年4月7日にオンラインで行われた新商品説明会に登壇した、尾西食品の古沢紳一社長、同商品開発部の味方裕佳氏、壱番屋の杉原一繁取締役(写真提供/尾西食品)

 長期保存食を製造・販売する亀田製菓グループの尾西食品と、カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)が、初のコラボレーション製品「CoCo壱番屋監修 尾西のカレーライスセット」を2021年4月1日に発売した。同商品は尾西食品が手掛ける、炊いた米を熱風で急速乾燥したアルファ米(80グラム)に、レトルトパウチの野菜カレー(180グラム)、スプーンをセットにしたもの。乳、卵、小麦などアレルギー物質(特定材料など)28品目不使用で、賞味期限は5年。

「CoCo壱番屋監修 尾西のカレーライスセット」の希望小売価格はオープン価格で、参考小売価格は594円(税込み)
「CoCo壱番屋監修 尾西のカレーライスセット」の希望小売価格はオープン価格で、参考小売価格は594円(税込み)

 参考小売価格は594円(税込み)で、同社公式ネットショップが開設されている亀田製菓のネットショップでは30食セットを1万7820円(税込み)で販売。ほかに一部のホームセンターやアウトドア用品専門店でも扱う。

アルファ米、レトルトパウチの野菜カレー、スプーンがセットになって1つの袋に入っている
アルファ米、レトルトパウチの野菜カレー、スプーンがセットになって1つの袋に入っている

カレーをアルファ米と共に温められる

 尾西食品商品開発部の味方裕佳氏は、4月7日に行われた商品説明会で、「アルファ米の袋は食器代わりになるため、食べているときに楽しめるデザインを意識」したと説明。また、「最後までおいしく食べてもらえるようにご飯とカレーの量を調整している」とした。

 今回の商品で特徴的なのがパッケージ。アルファ米にお湯を注いでチャックを閉めたアルファ米の袋に、外袋を筒状にしてかけ、隙間にカレーのレトルトパウチを入れることで、アルファ米とカレーを一緒に温めることができるようにした。

パッケージ上部の切り口A、下部の切り口Bを切って筒状にし、お湯を注いだアルファ米の袋にかけて、隙間にレトルトカレーを入れると同時に温め可能
パッケージ上部の切り口A、下部の切り口Bを切って筒状にし、お湯を注いだアルファ米の袋にかけて、隙間にレトルトカレーを入れると同時に温め可能

 レトルトカレーの味は、ココイチの味が再現されており、「非常時はもちろん、登山・キャンプなどアウトドア食としても、いつでもおいしいカレーライスが食べられるセットになった」と味方氏は話した。

 また今回のコラボの経緯を壱番屋の杉原一繁取締役は「もともと当社では登山やキャンプなどアウトドアで手軽においしく食べられるカレーを作りたいと活動していた。縁があって、尾西食品の備蓄食に対する考え方、取り組み、姿勢に賛同し、共同開発に至った」と説明。災害時の非常食にもなり、子どもも高齢者も、さらには食物アレルギーを持つ人も食べられる製品ができたと言い、「家庭の備蓄用に、登山やキャンプ、バーベキューなどのアウトドアなど様々なシーンで利用してもらえる」と話した。

 一方、「防災食品分野でのシェアNo.1の評価(矢野経済研究所調べ)」という尾西食品の古沢紳一社長は、商品化の狙いについて、「災害時でも簡単で温かくおいしい食事を提供したい」という思いからココイチに監修を依頼したことを説明。「アレルギー対応と実用新案登録パッケージ機能でどんなときでも安心と思いがけない幸せをお届けできる」と強調した。

アルファ米のパッケージは自立するので容器として使いやすい
アルファ米のパッケージは自立するので容器として使いやすい

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