ライアットゲームズは2021年4月から、スマートフォンゲーム『リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト』(以下、ワイルドリフト)の2021シーズンのeスポーツ大会を始動する。NTTドコモが立ち上げたeスポーツブランド「X-MOMENT」と共同で、招待制のプロ向けと一般向けの3大会を開催予定だ。

スマートフォンゲーム『リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト』
スマートフォンゲーム『リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト』

 『ワイルドリフト』は、5対5のチーム戦で相手陣営の拠点破壊を目指すマルチプレーヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)型ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』(LoL)のモバイル版だ。『LoL』は世界で1億人以上がプレーしており、eスポーツタイトルとしても人気が高い。2019年の世界大会では、最大同時視聴者数が4400万人、1分当たりの平均視聴者数が2180万人を記録した(関連記事「ルイ・ヴィトン協賛 『LoL』はeスポーツの熱を日本にもたらすか」) 。

 『ワイルドリフト』は20年11月にローンチしたばかりで、eスポーツリーグや公式トーナメントはまだ開催しておらず、国内では今回が初めての公式イベントとなる。

 『ワイルドリフト』と『LoL』は、基本的なゲーム性、キャラクターの種類などに共通点があるものの、PC用ゲームをモバイルに移植したのではなく、モバイルに合わせて調整した新ゲームとなっている。PCでのキーボードとマウスによる操作から、スマホでのタッチ操作に切り替えるに当たり、操作性を最適化。モバイルならではのカジュアルさを重視し、1ゲームのプレー時間をPC版の約半分となる20分に短縮した。

「大会視聴もスマホで手軽に」

 その持ち味をeスポーツにおいても生かす。eスポーツブランド「X-MOMENT」として、ライアットゲームズと共同で『ワイルドリフト』の大会を開催するNTTドコモのeスポーツビジネス推進担当部長の吉田裕之氏は、21年3月25日に開催された発表会で、「モバイル版の手軽さを活かし、大会視聴もスマホで手軽にできることを重視していく」と語った。

『ワイルドリフト』のゲーム性や基本理念は『リーグ・オブ・レジェンド』を踏襲。5対5のチーム戦で争う戦略性の高いゲームだ。課金で強くならないのもeスポーツタイトルとしての公平性を保つ要因
『ワイルドリフト』のゲーム性や基本理念は『リーグ・オブ・レジェンド』を踏襲。5対5のチーム戦で争う戦略性の高いゲームだ。課金で強くならないのもeスポーツタイトルとしての公平性を保つ要因
発表会に登壇したNTTドコモ eスポーツビジネス推進担当部長の吉田裕之氏
発表会に登壇したNTTドコモ eスポーツビジネス推進担当部長の吉田裕之氏

 ライアットゲームズのタイトルは、競技性が強く、eスポーツでの展開を視野に入れているが、『ワイルドリフト』もそれは同様。eスポーツへの積極的な姿勢を示す取り組みとして、3種類の大会の開催を発表している。

 1つは招待制で、トッププロチームが参加する「ワイルドリフト インビテーショナル ザ オープニグゲームズ」。全8チームによるオンライントーナメント戦で、賞金総額は150万円。21年4月上旬に参加チームを発表し、4月21日に開催する。

 2つ目は誰でも参加できるオープントーナメントの「ワイルドリフト オープントーナメント オールプレイヤーズリフト」。21年5月29、30日、6月5、6日の4日間、オンラインで開催する。賞金総額は300万円。参加申請はチーム単位で行う。初心者はもちろん、先述のインビテーショナル ザ オープニングゲームズに招待されたトップチームも参加できる。

 3つ目は日本地域大会。オープントーナメントとして21年7~10月に開催。3回の予選を行い、16チームを選抜。その16チームがプレーオフで対戦し、優勝チームは世界大会への出場権が与えられる。賞金総額は900万円。なお、これらは世界大会や地域大会に向けたプレシーズンマッチという位置づけで、世界的なeスポーツイベントの展開は2022年からとなる。

2021年は22年のeスポーツタイトルとして本格始動する前段階と位置づける
2021年は22年のeスポーツタイトルとして本格始動する前段階と位置づける

ドコモのeスポーツは3タイトル目

 この『ワイルドリフト』の大会を取り仕切るのは、前述の通り、NTTドコモのX-MOMENTだ。X-MOMENTでは、『PUBG MOBILE』のリーグ戦「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE(PMJL)」と『レインボーシックス シージ』のリーグ戦「Rainbow Six Japan League(RJL)」をすでに開催しており、今回の『ワイルドリフト』が3つめのタイトル。PMJLとRJLがどちらもリーグ戦で、年間を通じて長期間争われるのに対し、ワイルドリフトはいずれもトーナメント方式を取った。しかも、3大会中2大会はオープン参加なので、PMJLやRJLよりも参加ハードルが低い。

 さらに、今後はゲームコミュニティーによる大会の開催支援やゲーム内のランク戦、簡易トーナメントの開催なども予定している。プロからアマチュア、学生、初心者まで、大会やイベントが楽しめる環境を整備する考えだ。

 ライアットゲームズ eスポーツブランドマネージャーの仲尾周三郎氏は、同社が描くエコシステムデザインを提示。ワイルドリフトは、プロリーグやグローバルのトーナメント、サードパーティーによる大会、草の根大会、ゲーム内ランク戦と、「4つの競技性エコシステムを構築しており、各レイヤーで楽しめるようになっている」と主張した。

国際大会から草の根大会、ゲーム内ランク戦まで、すべてのカテゴリーやランクでeスポーツイベントに参加しやすいエコシステムを構築する
国際大会から草の根大会、ゲーム内ランク戦まで、すべてのカテゴリーやランクでeスポーツイベントに参加しやすいエコシステムを構築する
『ワイルドリフト』のeスポーツ展開を説明するライアットゲームズ リーグ・オブ・レジェンド eスポーツ/ブランドマネージャーの仲尾周三郎氏
『ワイルドリフト』のeスポーツ展開を説明するライアットゲームズ リーグ・オブ・レジェンド eスポーツ/ブランドマネージャーの仲尾周三郎氏

 『ワイルドリフト』と『LoL』は別タイトルとして独立した展開をするものの、ベースは同じゲームであり、プロモーションも相互的に行うとのこと。世界大会などのイベントも一緒に開催することを示唆していた。『LoL』の世界大会「League of Legends WORLD Championship(Worlds)」は世界最大規模のeスポーツイベントとしても知られている。『ワイルドリフト』の日本地域大会で優勝すれば、Worldsへの出場が叶うということになり得る。

 X-MOMENTでは発足時から「世界レベルの選手の輩出」を目標に掲げている。取り扱いタイトルに『ワイルドリフト』が加わることで、その目標の達成と、それによるX-MOMENTの世界的認知度向上も視野に入るだろう。

(写真提供/ライアットゲームズ)